アート市場の活性化

2024.12.24

この秋の自民党内の人事で、アート市場活性化小委員会(アート小委員会)の委員長を拝命しました。

日本のアート市場は、バブルの頃はそれなりに世界の中で存在感を示していましたが、バブル崩壊後はぎゅっと縮小して、2023年の日本のアート市場の売上約950億円は、世界市場の中でシェア1%程度となってしまいました。

日本国内で行なわれたアートのオークションの平均落札価格は861,800円と世界の平均落札価格602万円と比べてかなり低く、ほとんど(91%)の作品が1万ドル未満で売買されています。

日本のアート市場は国内向けの取引が中心で、2023年のギャラリーとディーラーの売上の84%が国内向けでした。

これまで世界のアート市場はロンドン、ニューヨーク、香港という三つの拠点を中心にまわっていましたが、香港の政治状況が一変し、今後もこれまでと同じような地位を維持できるか疑問視されている中で、韓国とシンガポール、そして我が国が香港に代わるアジアのアート市場の拠点となるべく動き始めています。

日本は、かつて保税ルールが非常に厳しく、また硬直的に運用されていました。

海外から美術品をオークションやアートフェアのために持ち込むと、まず、関税がかかりました。

そして、国内で海外のコレクターに美術品が売却されると、その場で消費税がかけられ、国外に持ち出すときに関税と消費税を還付していました。

還付はされるものの、作品によってはかなり高額の税金を支払わなければならないということで、日本でのアートフェアやオークションに海外のコレクターを集めることは不可能でした。

私が、菅内閣の規制改革担当大臣だったときに、日本のアート市場を活性化するために、財務省の関税局の協力を得て、かなり大胆な保税ルールの変更を行ないました。

空港などだけでなく、銀座の画廊や百貨店の催事場、あるいはアートフェアの会場などを保税地域に指定して、海外から持ち込まれる美術品を税金を気にせずに取引できるようにしました。

その結果、海外から有名な画廊の日本進出が始まり、また、京都の二条城を会場にしたアートフェアが開催されるようにもなりました。

東京アートウィークや直島のように海外のコレクター、美術品愛好家が美術品の鑑賞のために日本を訪れるということも始まりました。

また、海外の富裕層には美術品などのコレクターも多く、インバウンド観光の単価の向上にも寄与することができるようになるはずです。

しかし、ルール自体は変わっても、細かい運用が問題だったり、アートに関するさまざまなコストが世界標準からかけ離れていたり、まだまだ、改善の余地があります。

今回、アート小委員長として、規制改革大臣として始めたものをきっちりとフォローしたいと思っています。



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