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おすすめの二冊 「英語冠詞大講座」「英語の複数と冠詞」
2024.07.09
不定期連載の「おすすめの一冊」、今回は二冊です。
私が慶應義塾大学を中退してアメリカの高校のサマースクールに入ったとき、EFLを担当していた先生から、「みんな明日はTOEFLのテストを受けてもらうからlead pencilsを持ってきてね」と言われ、えっ、マークシートは黒の鉛筆で塗るんじゃないのと思った私は、「red pencilsを持ってくるのですか」と尋ね、「lead pencils よ」「えっ、red pencilsですか」「lead pencilsよ」というやりとりがありました。
結局、次の日、私は赤鉛筆と黒の鉛筆を両方持っていき、無事、試験を受けることができました。
そんなことがあってから幾年月、私は未だにLとRの区別がつきませんし、固有名詞などはスペルを尋ねないと発音ができません。
困ったものです。
もう一つ、英語で困っているのが冠詞と不定冠詞です。
ここでaをつけるのかtheをつけるのか、あるいは冠詞も不定冠詞もつかないのか、単数形にしておくのか、複数形にするのか。
不可算名詞だの物質名詞だの抽象名詞だのにはああだこうだという理屈はわかります。
でも会話の中で、ここはこうだからaとか、こういう文脈だからtheみたいなことを考えているかというと、勢いで話をしています。
話しているときにわからないものを、聞いてわかるかというと、たぶん、わかっていないでしょう。
LとRとaとtheがなければ、英語はもっと楽しいのにと思います。
ということで、今日のおすすめの二冊は、それでも英語の冠詞と不定冠詞をわかるようになろうと私が読みあさった中から、なんとなくこれかなと思った二冊です(LとRは読んでわかるものではないので、そちらのおすすめはありません)。
「英語冠詞大講座」 猪浦道夫著 DHC
細かく名詞を分析して、こういうケースではこうという例を挙げています。
それを読んでいると納得はしますが、いざというときに使えるかというと、うーんという感じです。
この本のいいところは、こういうときはtheがつく、こういうときは無冠詞という例がたくさん挙げられていて、とにかくそれを覚えてしまおうというときに便利でした。
例えば「Castle」は無冠詞が原則だが、宮殿にはtheがつく。
Windsor Castle, Edinburgh Castle, the Royal Palace, the Imperial Palace
(でもBuckingham Palace)
公園や街路、広場は無冠詞だが、博物館、劇場には定冠詞がつく。
Hyde Park, Downing Street, Broadway, Madison Square, the Louvre, the Odeon
酒のブランドは無冠詞。
Budweiser, Dom Perignon
山は無冠詞だが山脈はtheをつける。
Mount Everest, Mount Fuji, the Alps, the Rocky Mountains
等々。
練習問題も豊富で、一生懸命やりました。
「英語の複数と冠詞」 小泉賢吉郎著 The Japan Times
名詞をP型(複数形)、A型(不定冠詞)、T型(定冠詞)、Z型(無冠詞)に分けて、それぞれのニュアンスを教えてくれます。
I have no idea.
わたしにはさっぱりわからない。
I have no ideas.
私にはアイデアが一つもない。
この本は、例文とその解説を読んでいるだけで、わかった気分にしてくれます。
でも、なかには不定冠詞を付けた場合と冠詞を付けた場合で意味が変わらない例も挙げられていて、えーい、なんじゃそれはとなります。
まあ、結局、いろいろというけれど、すべては文脈次第なのだというところに落ち着いてしまいますね。
G7の閣僚宣言の文章の議論をしているときは冠詞、定冠詞の区別は大問題ですが、そうでもなければ、外国の人が日本語で話をしてくれているときに、てにをはが多少違っていても我々が理解できるのと同じことかなと思ったりもします。
まあ、めげずにがんばりましょう。
ちなみに「おすすめの一冊」ではこんな本を取り上げてきました。
「シャルル・ドゥ・ゴール -自覚ある独裁」 佐藤賢一
「赤と青のガウン」 彬子女王
「満州事変」 緒方貞子
「One Bullet Away」 Nathaniel Fick
「The Official Preppy Handbook」
「The Man Who Never Was」 Ewen Montagu
「テムズとともに」徳仁親王
「ティラノサウルス解体新書」 小林快次
「三国志」 宮城谷昌光
「炎環」 永井路子
「黒牢城」 米澤穂信
「マハラジャの葬列」 アビール・ムカジー
「ブロックチェーン」岡嶋裕史
「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬
「オニール回顧録」 ティップ・オニール
「ケネディ外交」 ロジャー・ヒルズマン
「カクテル・パーティー」 大城立裕
「The Best and the Brightest」 David Halberstam
「キッシンジャー秘録(全五巻)」 ヘンリー・キッシンジャー
「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」 峰宗太郎 山中浩之
「すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線」 多田将