女性警察官としてのキャリア
2015.11.22
今、警察庁の捜査一課長は女性です。現場では、性犯罪などを扱う女性警察官だけの鑑識チームも立ち上がっています。
これまで男性と比べ女性警察官の採用人数は決して多くありませんでした。
しかし、これからは警察のなかでも女性の比率が高くなっていきます。
これまでどの県警でも女性警察官は、巡査から巡査部長までは男性と同様に昇任してきました。
問題は巡査部長から警部補への昇任が極端に少なくなっているところです。
警部補への昇任が少ないため、警部への昇任も少なくなってしまっています。
警部補は当該地域における担当分野の事件、事故などの責任者となり、警部になると刑事、交通、生活安全など各分野の実質的な責任者になります。
そのため、警部補・警部になると昼夜を問わず対応が必要となることもあり、出産・育児期の女性警察官は昇任を希望しないこともあるのではないか、あるいは警部補への昇任の前提となる管区での幹部学校への参加がネックになっているのではないか等といわれてきました。
しかし、男性職員が仕事を負担するにも限りがありますし、このままでは女性警察官の割合が増えつつある警察組織が成り立たちません。
そこで昇任に伴う幹部学校も、一律の合宿から、必要に応じて通いも認めるなどの改革が始まっています。
行政サービスの水準の維持・改善と職員のワークライフバランスの実現との両立は、通常の役所と異なり、昼夜を分かたず事件事故から国民を守る警察にとっては難しい課題ですが、これに挑戦していきたいと思います。
警察は、国民生活を守るやりがいのある仕事です。地域のコミュニティの中で治安を守る仕事から、国際的なテロリストを追い詰める地球規模の仕事まで、さまざまな業務が男性だけでなく、女性のあなたを待っています。