第3号 『誰が法律を作っているか』

通常国会が開会されています。本年度予算も(中身はともかく)無事に成立し、一見順調に国会審議も進んでいます。
しかし、初登院から半年、いろいろとおかしなことが目につくようになりました。
自民党の社会部会が児童問題小委員会を設立し、50年ぶりに大改正される児童福祉法の議論をすることになりました。
まず厚生省の担当課長から40分説明を聞いて、20分の質疑を行う勉強会が6回開催されました。
さすがに行政府だけあって、なかなか明解に問題点を抽出してありました。
 ところが、さあ、これからこの問題にじっくり取り組んでやろうと思い、7回目の会合に行ってみると、「児童福祉法の改正にあたって」というような表題で、今度の改正をどういう方針で行うかを書いた2枚もののペーパーが用意され、小委員長曰く、「この小委員会の意見をとりまとめるに当たっての案を作りましたので、皆様のご承認をお願いします」。中身は、厚生省がやらせた審議会の答申の大筋と全く同じ。茶番だ。
「審議会の答申」なるものが永田町のそこら中をうろついています。
「審議会の答申を得ましたので、それにそって法案を作成しました」
「審議会で長年にわたりご議論をいただき、答申が出ましたので、それに基づいて法律案をまとめております」。
「審議会の答申ではこうなっております」。
 国民が選んだ代表が集まる国会が議論し、国会が方針を決め、国会が法律を作るのではなく、お役所が勝手に人選した審議会が、議事録も公開されない密室で議論し、早いときにはお役所が朝、諮問すると、午後に答申するような審議会の方針に沿ってお役所が法案を作り、官僚は臆面もなく、「審議会のご答申にそって法案を作ってますから、つべこべ言わずにさっ
さと通して下さい」みたいなことを言う。
いったい審議会とは何だ!審議会の仮面をかぶったお役所が法案を作り、国会がその中身をろくにチェックできない今のようなやり方で、日本は民主主義国家です、なんて胸を張って言えるのでしょうか。
議員立法をしっかりやっていかなければ…。


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