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6.新たな雇用の創出

 21世紀の公共事業は、医療と介護、そして子育て支援です。これまでのような高速道路やダムをはじめとする巨大プロジェクトに財政出動して、景気を刺激したり、雇用を創出したりする時代は終わりました。
 例えば、高速道路の建設に一億円を投資しても、その大半は土地の買収や材料費に消えてしまいます。しかし、介護や医療、子育て支援を充実するために一億円を投資すると、その大部分は人件費です。人件費はコストであると同時に反対側から見れば給与ですから、雇用の創造につながります。「そこにサービスを提供する誰かがいること」が必要な介護や医療、子育て支援を充実するためには、コストがかかり、今以上に公費の投入が必要になります。でも、公費を投じてこの分野を拡充することは、さまざまな人が働くことができる雇用の創造につながります。
 雇用を創出する効果の大きく、今後の日本で期待できる産業に観光業があります。現在の日本は、外国からの観光客の受け入れという点で、香港、マカオ、バリ島などアジア各国に大きく後れを取っています。人口あたりの外国人観光客を増やすことによって、宿泊、交通、物販、各種サービスなど多くの分野で雇用が生まれます。経済成長のおかげで富裕層が増えた中国や東南アジアのマーケットを最初のターゲットに、日本の伝統的な文化と最先端の技術、そしてマンガやアニメ、音楽などのポップカルチャーに触れてもらう観光に力を入れていきます。
 マンガ、アニメ、ゲーム、ドラマ、音楽、映画といったコンテンツ産業も新たな雇用の創造の中心になります。国立マンガ喫茶と揶揄されたメディア芸術総合センターという箱物を建てるなどというでたらめな政策ではなく、それぞれの分野でしっかりと海外のマーケットをつかむためには何をしたらよいのか、戦略的な政策が必要です。とくに日本語の作品を海外に広めるためには語学の壁をクリアしなければなりません。翻訳や字幕に助成をすると同時に、世界各国に日本語を学べる場を提供していく必要があります。

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