県連会長所信
冷戦構造および55年体制のなかにあって、わが自由民主党は、日本を共産主義、社会主義から守り、この国に自由主義、民主主義、資本主義を根付かせるという明確な存在理由が国民から支持され、政権を長期にわたって担当してきた。
冷戦が終わり、日本が共産主義や社会主義国家にならないことが明らかになり、国内の55年体制が崩れた今、日本が自由主義、民主主義、資本主義の国であることはこの国の将来を考える上で揺るぎない前提となった。
それは同時に、我々自由民主党が、自由主義、民主主義、資本主義の枠組みの中でどんな理念を追求するのかを明確に有権者に示し、その理念に対する支持を得ていかなければならないことを意味する。
これまではともすれば、自由民主党はその与党であるという立場を生かし、特定の業界、団体の利益を規制で守ることにより、政治的な支持を得てきた。しかし、これはもはや続けられない。なぜならば、業界を守るはずだった数々の規制は中央官庁の権限と予算を守ることに変質し、日本経済を極めてコストの高いものに変質させた。市場が国際的に統合され、中国が世界経済に復帰した今日、高コスト経済は競争を勝ち抜けない。
国際的な競争を勝ち抜こうとする中で、特定の業界、団体の中にも自由競争の中で勝ち抜こうとするものと規制を利用し競争を避けようとするものの対立が生まれている。そのために一つの業界全てに支持されるということは政策的に極めて難しくなっているし、今後、日本経済の競争力を高め、財政を再建し、社会保障を充実していくための一連の政策を実施する中では、一つの業界の中でもその構成員の利益は相反するようになっていく。
与野党を問わず、これまでの日本の政党を支持してきた特定の業界、団体の相対的な地位は低下し続けている。野党の支持基盤である労働組合も例外ではない。政治的な意味で、どの業界、団体あるいは組織にも属していないと考える有権者が多くなり、特定の支持政党がない有権者が特定の政党を支持する有権者よりもはるかに多くなった今日、特定の業界、団体の利益を守る政策を取ることによって政権を握り続けることはできない。
特定の業界、団体のための規制を続けるのではなく、政党として一つの理念を打ち出し、それに沿った政策を実行していくべきである。政党の理念に共感し、ともにこの国の将来像を共有する党員を広げていくことによって、有権者の支持を集めなければならない。
現状では自由民主党が支持されているのか、政権政党として支持されているのかわからないではないか。
われわれ自由民主党は、「官から民へ」「中央から地方へ」という二つの改革を前面に掲げ、それに沿った政策を実行するとともに、有権者にわかりやすく説明し、理解を頂きながら支持を増やしていく。


