Kono Taro Official Website 印刷する

ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第25号 『空気の値段』

『消費者保護基本法』改正

 自民党の岸田文雄代議士と私は、1997年に衆議院の消費者問題特別委員会の中に小委員会を立ち上げ、遺伝子組換え食品に対する表示を義務づけました。その後、食品安全などの消費者問題に岸田・河野のコンビで取り組み、今では、自民党内で消費者問題はこの二人ということになっています!?

 岸田文雄座長、河野太郎事務局長の自民党消費者問題プロジェクトチームの2004年の最大のテーマは、議員立法による消費者保護基本法の改正でした。消費者保護基本法は昭和43年に制定されましたが、36年が経過し、日本の消費者を取り巻く環境もずいぶんと変わってきました。そこで、「消費者は社会的に弱い存在だから、とにかく政府が守ってあげましょう」という法律から「消費者の権利を明確にして、消費者が自らきちんとこの権利を守れるように枠組みをつくりましょう」という法律に大転換させようという大仕事でした。

 2003年7月24日に内閣府からのヒアリングを行ったのを皮切りに、国民生活センター、主婦連合会、日本生活協同組合連合会、全国消費者団体連絡会、日本弁護士連合会、経団連、国民生活審議会、全国消費生活相談員協会、消費者関連専門家会議等々からヒアリングをしてたたき台をつくっていきました。そして2004年3月12日に我々の改正案を自民党案として衆議院に提出しました。

 改正案では、まず法律の名前そのものを「消費者保護基本法」から「消費者基本法」へと変えて、消費者の自立を促すという目的を明確にしました。そして、消費者の権利を明確にする、消費者の自立を支援する、事業者に自主行動基準の策定などを求める、消費者契約の適正化を図る、消費者教育を充実する、政府に消費者基本計画の策定を義務づける、内閣府の中に首相を長とする消費者政策会議を制定するなど内容を固めました。

 ところがとんでもないところで揉めました。「消費者の権利」を法律の中で明確に書き込むならば「消費者の責務」も明確にせよという意見と、消費者に権利を与えても責務も明確にするのはやりすぎだという意見が対立しました。自民党内で揉め、公明党との与党調整でも揉め、民主党との調整でもやっぱり揉めました。そのたびに昔の「太陽にほえろ」のスコッチと山さんの役(ちょっと古くてわからないよって? つまり、片方が机叩いて怒って、もう片方がまあまあといってなだめるってやつです)を僕と岸田座長で演じて、まとまりました。

 実は「消費者の責務」という言葉は法律の本文には出てきません。六法をご覧になると法律の条文には一条ずつ、その条文に何が書いてあるかを示すタイトルが付いています。改正案の第七条のタイトルを「消費者の責務」とするか「消費者の役割」とするかで最後まで揉めたのです。こんな枝葉末節で改正を潰すわけにもいかないので、岸田座長と相談して、条文のタイトルを削除しちゃいました。消費者基本法の六条、七条、八条には条文のタイトルがありません。

 と、いうことで与野党の合意ができたので、我々の改正案を取り下げで、衆議院の山本公一内閣委員長が委員長の提案として国会に提出しました。(議員立法であらかじめ全党一致がわかっている場合は、委員長提案として提出し、審議を省略して採決することができます。特に会期末で時計の針との競争というときは、こうなります。)

 2004年5月14日衆議院全会一致で可決、5月26日参議院で全会一致で可決成立。6月2日に官報に掲載されて三十六年ぶりの大改正は公布・施行されました。

第25号 目次へ 次へ 「臓器移植法」改正
ウィンドウを閉じる