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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第20号 『異議があります!』

日本にも民主主義を

 つまり、今の国会は、与野党の幹部議員がそれぞれ与党陣営、野党陣営の中をコントロールできるように、執行部に都合がよい摩訶不思議なルールが作られて、議論が形骸化してしまっているのです。

 国際情勢が大きく変化し、それにあわせて経済政策を大きく変えていかなければならない昨今、限られた与野党の幹部だけを「抑えて」しまえば議論の方向が左右されてしまう国会は、既得権を維持するために非常に都合の良い場となってしまっています。

 我々与野党の若手議員と若手の経済人は、毎年一月にスイスのダボスで開かれる「世界経済フォーラム」で、日本を改革するために何が必要かという議論をするためのたたき台を練り上げました。

 我々の主張では、今の日本に必要なものは三つ。第一に、日本に真の民主主義を確立し、政治がきちんと直面する問題を議論し、大胆な改革を実行に移すこと。第二に、日本に真の市場主義経済を導入するために、政府や政府系の外郭団体による規制を撤廃し、それにあわせて、それぞれの業界が既得権としていた特殊なルールも廃止すること。第三に、日本社会の中に、多様性を積極的に持ち込むこと。例えば、教育の自由化、複線化を推進する、新しい事業のために投資をする、あるいは新しい企業を始めるということを奨励する政策をとること。外国からの資本、技術、マネジメント、労働力を積極的に受け入れること等です。

 中でも一番大切なのは民主主義の確立と真に民主的な議会の設立です。これがなければ経済改革も社会改革もできません。

 重箱の隅をつついて揚げ足を取ったり、予算委員会でスキャンダルの話ばかりしたり、ひたすら日程闘争をしているだけの議会では、意味がありません。胸を張って日本は民主国家だと言えるようなしっかりした政策議論のできる国会をつくりあげるために、我々は努力しなければなりません。

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