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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第17号 『構造改革はできるか』

単純銀行

 今ここに、「単純銀行」という銀行を設立しましょう。単純銀行には、自己資本(株主が出した資本金とこれまでの利益の積み立て)が20あります(単位は、円、ドル、アフガニ、ポンド、何でもお好きなものをどうぞ。億円でも、兆円でも、万円でも、ご自分が一番イメージしやすい額を使ってください)。銀行ですから、当然預金をしてもらわなければなりません。そこで、あなたにちょいと180を預金していただきます。これで、単純銀行は200の資金を集めることができました。

 銀行ですから、当然お金を貸さなくてはなりません。単純銀行は、集めた200を全額いろいろな企業に融資します。これをわかりやすく表にしたものが(図1)です。右側の箱には、単純銀行がどうやってお金を集めたかが書いてあり、左側の箱には集めたお金をどうしたかを書いてあります。(ちなみに銀行にとって「預金」は預金者に利子を払い、いつかは払い戻ししなければならないものなので、会計上は「負債」になり、「貸し出し」は、反対に「資産」になります)。

注意:預金者が預金を引き出しに来たときに、払い戻しができるように、銀行の手元にはいつも十分な預金がありますが、ここでは、それを無視しています。

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