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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第12号 『神奈川独立!〜2000〜』

原子力発電に関するシナリオ

原子力発電の問題を取り上げた「ごまめの歯ぎしり」が波紋をよんでいます。
 通産省幹部は、二〇一〇年までに原発を十六基ないし二十基建設すると言ってがんばっていますが、これは事実上、もう不可能です。
 他方、電力会社は二〇〇九年までに十基を建設すると計画しています。つまり、通産省幹部は「いや、最後の一年(つまり二〇一〇年)に十基作れる」なんて、馬鹿なことを言ってがんばっているわけです。しかし、来年三月には、電力会社は二〇一〇年までの計画を策定します。そうすると、通産省の言っていることと電力会社の計画が明確に違うことが対外的にはっきりします。つまり、最後の一年にたくさん作るというのは嘘であることがばれるはずです。
 それなのに、なぜ今通産省がこんなことを言っているかというと、二十基作るんだといって頑張っているからこそ、そのうちの六基が実現する、と考えているからです。彼らは、現実的なことを言い出したとたんにこの実現するはずの六基もできなくなる、と固く信じています。
 問題は、二十基建設するという非現実的な計画のために「原発が計画とおりできなかったら、どうやって地球温暖化防止のための京都議定書が定めた炭酸ガス六%削減を実現するのか」という現実的な議論を来年三月まで(電力会社の二〇一〇年までの計画が発表されるまで)行うことが政府内で許されなくなってしまっているということなのです。
 ですから、通産省はしばらくほっておいて、今の政府のエネルギー政策に代わる代替シナリオの議論を大いに始めましょう。燃料電池、自然エネルギー、そして省エネなどを組み合わせた日本の進むべき道を示すべく、太郎塾はシナリオの作成作業に入りました。また、超党派の議員に呼びかけて、自然エネルギー促進議員連盟を立ち上げました。
 二十一世紀の日本のエネルギー政策は、通産省ではなく、国民が作ることになりそうです。
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