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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第8号 『予算委員会のかげで…〜1999.10〜』

税金の裏側で

 昨年十二月に開かれた自民党税制調査会で、景気刺激策の一環として、新車から七年以上乗った自動車を新車に買い替える場合に、自動車取得税を免除する特例措置を講じてはどうかという議論がありました。
この特例措置が実施されると、自動車の国内販売で約四十万台の販売増と約2兆2千億円の生産波及効果が見込まれ、GDPに換算すると〇・一五%の経済成長が実現するというものでした。
 一年間の期限付きで実施した場合の財源は、六百億円で、同額の公共事業を実施した場合と比べ、経済波及効果は約二倍になるはずです。

 これを政策的に評価した一回生は、大村秀章代議士を中心に、この税制改正の実現に向けて、動きました。 ところが、どっこい。自動車取得税は、道路整備に関する費用に充てられる目的税で、しかも、道府県に入る地方税。この道路目的税を減額する措置に、建設省が猛反発。この動きの中心になった大村代議士に対し、「こんなことして次の選挙大丈夫ですか」と脅しをかけたあげく、代議士の地元の市町村に対し、建設省への陳情は、大村代議士を通さないでもってこいと呼びかける始末。
 一方、理屈から言えば、この特例措置を支援するはずの通産省は、これをやろうとすると建設省と全面戦争になるからと、降りてしまった。
 結果的にこの特例措置は実現しなかった。同じ六百億円、使うならば、公共事業ではなく、この特例措置にしたほうが、効果があったのではないかと思うのだが。
 本来は、こうしたことを丁寧に取り上げるのが予算委員会であり、各常任委員会なのだろうけれど、一度、政府案が固まるとそれを絶対に修正しないという現状ではどうにもならない。うーん、国会運営を変えなければ。
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