Kono Taro Official Website 印刷する

ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第6号 『日本外交を考える〜1998.3〜』

もう一つ

さて、もう一つ。
アメリカの下院外交委員会では、今回のアメリカ軍の出動にかかった経費を日本にも負担してもらおうという意見が出ています。
もし、アメリカ軍が出動せず、サダム・フセインが毒ガスを持てば、毒ガスを使うぞ、と湾岸諸国を脅すだけで、原油価格が急騰し、日本経済は直接的に(原油の輸入価格の上昇)、間接的に(原油価格の急騰によって、世界経済が失速し、日本の輸出も落ち込む)大打撃を受けます。
それを考えれば当たり前でしょ、とでも言いたげです。
 こうした地域紛争の解決にあたり、日本は国際的にどんな貢献をするのか、そろそろ日本国民みんなで議論をすべき時がきています。
 お金は出すのか。どの程度出すのか。
セルビア紛争にアメリカやNATO軍が出兵し、日本も費用負担しろ、と言われたらどうするのか。人は出すのか。
PKO(平和維持活動)はいいなら、PKF(平和維持軍)はどうするのか。もし、今回のような制裁行動にも参加しろ、といわれたら憲法上の制約を理由に断るのか。その時、お金は余計出します、と言うのか。
安保理の支持なく、アメリカが単独で軍事行動を起こす時、日本はどうするのか。
日本が安保理に席を持っていない時は、どうするのか。
 まず、日本の意見を言える状況をつくるために、安保理の常任理事国にならねばなりません。
日本を含めた安保理の支持のある軍事行動には、その地域を考え、応分の財政負担をすべきですが、あとからアメリカに言われるのではなく、事前に枠組みを決めるべきです。
停戦合意のあるPKOには参加すべきだと思いますが、参加する以上は指揮命令系統や火器の使用など、各国と足並みをそろえるべきだと思います。
金と人以外の貢献もあるのではないかと思います。
例えば、日本がうんと言えば、アジア諸国も自然と足並みをそろえるというような、人望(国望?)と言うか、国の「徳」のようなものでも貢献できる、そんな国、そんな外交を目指すべきだと思います。
 「外交問題は票にも金にもならない」とか言われ、衆議院の外務委員会は希望の委員会に入れない議員の待合室と化し、自民党の外交部会は、廊下まで人があふれる農水部会の隣で出席者五人なんて事もありました。しかし、資源を輸入に頼り、輸出が経済を引っ張る日本が外交を軽視することは出来ないと思います。
外交問題も私たちに大いに関係のある問題です。
 あなたのご意見、ご質問をお待ちしています。
第6号 目次へ 次へ 消費者問題特別委員会
ウィンドウを閉じる