ごまめの歯ぎしり ハードコピー版 |
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第6号 『日本外交を考える〜1998.3〜』日本の問題 今回は、アメリカがこぶしを振り上げたから、フセインが査察を認めたのです。冷戦が終わり、ソ連が崩壊した今、世界の警察官(またはガキ大将)になれる力を持っているのはアメリカだけのようです。 しかし、アメリカのこぶしの振り上げ方にも問題があります。「イラクはけしからん、安保理決議に反している」というのが、アメリカの理屈ですが、同様に安保理決議に反して他国の領土を占領しているイスラエルには、少し甘い顔をしています。 ちょっと気分屋の警察官(またはガキ大将)のようです。 「アメリカの正義」の独走を防ぐのは、国際的な世論を体現する国連の安全保障理事会(安保理)だと思います。ベーカー元国務長官の回顧録にも、日本の外務大臣は出てきませんが、湾岸戦争当時に安保理のメンバー国だったイエメンやコートジボアールとの外相会談については、詳しく書かれています。 今回も、事務総長とフセインの合意事項は、安保理に報告され、そこで承認されました。 アメリカといえども、安保理の反対を振り切って行動するわけにはいかないのです。 日本は、国連予算の二〇%も負担していて (アメリカの二五%の次に多い額です)、これは英仏露中四カ国の負担額の合計を上回っています。(アメリカはガリ前事務総長の国連運営が気に入らないと、決められた負担額を払っていません)。 それなのに、日本は、安保理では、任期二年で必ず交代しなければいけない非常任理事国にしかなれません。 一方、米露中英仏の五カ国は、常任理事国として任期はなく、拒否権も持っています。 お金だけはたくさん払わされ、国連が意思決定をするときには議論に加われない、というのは、おかしいと思います。 日本は安保理の常任理事国になり、常に日本の意思が安保理の決定に反映されるようにしなければいけません。 (注=国連本体の予算は、国連本部のあるニューヨーク市の予算より少なく、国連のPKO予算は、ニューヨーク市の警察予算より少ない) |
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