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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第4号 『なぜ「河野案」はなかったか〜1997.7〜』

新人の決断


この通常国会の期間中、何回か、こりゃ、おかしいという採決がありました。
たとえば会計検査院の人事に官僚出身者をあてるとか、整備新幹線とか、行革の為に文部省の外郭団体を二つ合併させて三千人を超える定員を五人!削減するとか、健康保険法の参議院修正を議論も無しに衆議院を通過させる等々。
結構真剣に、与党議員であっても、これはやっぱり反対すべきではないか、と悩んだものもありましたが、結論から言えば、いずれの採決にも賛成しました。
相談にいったある長老曰く、「おまえが、評論家や万年野党の議員なら、納得いかない採決には反対します、といって一人で立ったり座ったりしておればいいさ。
だがな、政府を背負っていこうとする与党の政治家であるなら、反対する時には、その法案と刺し違える覚悟で反対しなければいかん」。
うーん。 といいながら、今国会で二回造反をしました。
一つは、臓器移植法案を厚生委員会で採決しないで本会議に上程すると決めたことに対して。
臓器移植法案そのものは、党議拘束がありませんから、自主投票です。
しかし、脳死と植物人間の違いがわかってこの法案に投票した衆議院議員がどれだけいるかとなると、背筋が冷たくなるような状況だったと思います。
少なくとも厚生委員会はこの問題に関して参考人招致を含め何十時間も議論をし、衆議院議員の中ではこの委員会の四十人の委員が一番知見があるわけですから、その四十人がどう判断するか、ということが他の四百六十人の議員の判断に影響を与えるでしょうし、与えるべきだと思います。
私は、どの案を支持する、しないということを超えて、一番のエキス
パートである厚生委員会の委員がまず判断すべし、という議論を行いました。
しかし、残念ながら厚生委員会は、この責務を果たすことなく、委員会採決をしない決定をしました。
自民党の町村信孝厚生委員長の厚生委員会は採決をせず、本会議に同法案を上程するという委員長報告に関する採決に、私は反対しました。

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