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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第4号 『なぜ「河野案」はなかったか〜1997.7〜』

ウルトラC…ならず  

さすが、蛇の道はヘビ、「差し替えで厚生委員会の委員になれよ。委員になれば、委員会中に一人でも動議で修正案を出せるぞ」。
なるほどそうか。
早速、厚生委員会でただ一人年下の田村代議士をつかまえて
「タムちゃん、悪いけど、差し替え頼む」、
「ええーっ、しょうがないなぁ」
(差し替えとは、委員が委員会を辞任し、補欠が選ばれ、委員会が終わると補欠が辞任し、元の委員が補欠になって再び委員に戻ること。採決がある日に委員会を欠席するときは、誰かに差し替えで出席してもらう。あるいは、委員でない委員会で質問をしたいときに、差し替えで一日委員になって質問をさせてもらう。本来、断固やめるべき国会の悪習である!!)
 意気揚々と部屋に戻ると、厚生委員会の調査室から、「差し替えで修正案を出すと伺いましたが」。いやな予感。
「実は委員会の動議は、委員が辞任すると無効になるんです」、
「ということは?」、
「ええ、修正案が可決されるまで委員を続けていただかないと困ります」。
厚生委員会は、健康保険法案や介護保険法案も審議中だから、そりゃとてもできません。
本会議のたびに斜め後ろの菅さん(カンと書いてスガと読む)が
「おい、太郎。河野案どうした」、
「いや、もうちょっと」。
しかし、抜け道もふさがれ、ついに白旗をかかげました。
日本国憲法第四一条「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。
ただし、幹事長からお手紙が来たときはその限りではない」。
追記 NPO法案を手がけた社民党の新人代議士が、自民党の加藤幹事長に、「幹事長は在職二十五年間に議員立法をいくつやられたのですか」と聞いたら、「ひとつもない」。
それが普通のようです。
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