医療費を考える

2017.03.25

赤字国債を出さずに当初予算を組めた最後の年は平成2年でした。その平成2年度と新年度の当初予算を比較してみます。

単位は兆円です。

  H2  H29  伸び率
税収   58.0  57.7    99.5%
その他収入   2.6    5.4  207.7% 
建設国債     5.6    6.1  108.9%
赤字国債       0.0  28.3  -
合計   66.2  97.5  147.3%

社保除く一般歳出 25.1  25.9  103.2% 
地方交付税 15.3  15.6  102.0%
社会保障費 11.6  32.5  280.2%
国債費   14.3  23.5  164.3%
合計   66.2  97.5  147.3%

平成2年度と28年度の税収はほぼ58兆円です。

歳出を見れば、地方交付税はこの四半世紀、全く横ばいです。

社会保障を除く一般歳出は8000億円しか増えていない一方で、社会保障費は20兆円を超える伸びを示しています。

高齢化を反映して、社会保障費の中でも医療費の伸びが著しくなっています。

我が国の医療費の財源を見てみると、国庫負担11兆円、地方負担6兆円、保険料負担21兆円、患者の自己負担5兆円となります。

つまり税金による負担が39%、保険料負担49%、患者の自己負担12%です。

医療費の内容を見ると、医師等の人件費20兆円、医薬品10兆円、医療材料3兆円、委託費・光熱費等11兆円となります。

この合計額を国民医療費と言いますが、右肩上がりで増えています。

1985 16.0兆円
1990 20.6
1995 27.0
2000 30.1 介護保険導入
2001 31.1
2002 31.0
2003 31.5 自己負担3割に統一
2004 32.1
2005 33.1
2006 33.1
2007 34.1
2008 34.8 後期高齢者医療制度導入
2009 36.0
2010 37.4
2011 38.6
2012 39.2
2013 40.1
2014 40.8
2015 42.3(推計)

この医療費を様々な角度から分析し、医療費の無駄を省き、最も効果的な標準医療を確立していかなければなりません。

例えば、薬価は改定のたびに引き下げられてきました。

2001年の薬価を100とすると2012年の薬価は70.3となっています。

ところが、実際の薬剤費は、2001年を100とすると2012年は132.7まで伸びています。

これは高齢化による使用量の増加及び年度途中に保険収載される新薬が原因と考えられます。

2015年度に新たに承認された「新」医薬品は116ありました。しかし、そのうち新たな有効成分を含むものはわずか42、残りの74は用法・用量の変更や効能・効果の追加などです。

また、薬局で980円で販売されている湿布が医療機関では薬価120円に設定され、現役の3割負担では自己負担36円、高齢者の1割負担では12円。

薬局で1706円で販売されている胃薬が、医療機関の薬価で300円、現役の自己負担は90円、高齢者の自己負担は30円。

人口10万人当たりの入院患者数を都道府県別にみると、最大の高知県では614人、最小の長野県では122人と実に5倍の格差があります。

インターネットなど影も形もなかった昭和20年代に制定された法律に基づいて、支払基金の事務所が全都道府県に設置されました。しかし、インターネットと電子レセプトが使える今日、都道府県に一つずつ支払基金の事務所は必要ありません。本部が東京にある必要もありません。AIを導入すれば、大半のレセプトの処理は人手を介さずに行うことができます。

こうした医療費の内容をしっかり精査し、しっかり是正していきます。



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