いろいろイロハな皆様へ そのロ

2016.12.27

年金事務所が「イロハ」で管理している情報は、事業所整理番号とよばれるものでカナ二文字から三文字で成り立っています。

例えばA年金事務所管内で、イトウ産業という会社が創業し、イロハ順でやる年金事務所に届け出を出したとしましょう。

会社名の最初の一文字である「イ」がまず、最初の記号になります。

そしてA年金事務所管内で、イから始まる会社の届け出の何番目かで次の二つのカナが決まります。

例えばイで始まる会社でA年金事務所に最初に届け出した会社はイイになり、二番目に届け出をした会社はイロ、以下順番にカナがふられていきます。

大正十四年からこの方式が始まったのではないかと推測されています。

今思えば、このカナを振る順番をアイウエオでやった年金事務所とイロハでやった事務所が混在したのが、運の尽きでした。

東京都や神奈川県などはイロハ順、埼玉県や静岡県はアイウエオとイロハが混在と聞きました。

混在している県は、異動の時に職員がやはり困るようです。

さて、イトウ産業の届け出順が「イワカ」だったとしましょう。

昭和六十年に機械化が始まり、カナを番号に置き換える作業が始まりました。

アイウエオ順で振った年金事務所はアは01、イは02、ウは03というように、一つのカナが二ケタの数字に置き換えられました。

イロハで振った年金事務所は、イは01、ロは02、ハは03と番号を振りました。

イトウ産業のイワカは011314となります。

協会けんぽの場合、保険証に記載されるのはこの6ケタの番号です。

ちなみに健保組合はアルファベットで事業所整理番号をつけ、保険証への記載は、それぞれの健保組合がルールを定めています。

年金は、基礎年金番号で管理されますが、厚生年金の加入状況もカナで管理されています。

しかし、すでにコンピュータ化したわけですから、アイウエオ順もイロハ順も問題にならないはずです。

ところが年金事務所の実務を聞くと、紙でカナを使っている業務が主に二つあります。

一つは、算定基礎届の提出を確認する消込作業。イロハ順あるいはアイウエオ順にプリントされた紙を使って、提出の確認をしている事務所があります。

もう一つが、徴収課で会社の納付状況を確認する作業、特に滞納企業を管理するために、企業ごとにデータをプリントアウトして紙ファイルで管理しています。

なぜかというと先方とのやりとりをメモした手書きの紙など、コンピュータに入っていない書類があるからだそうです。

これをイロハ順に並べて管理しています。

すでに事業所整理番号が振られているわけですから、アイウエオ順に並べてもよさそうですが、こういう年金事務所では、企業情報のプリントアウトが事業所整理番号のイロハ順に出力されるようになっています。

新しく出力されたプリントアウトがイロハ順なので、アイウエオ順に並べ替えると新しいプリントアウトをファイルに入れるときに大変になるそうです。

さらに、過去の莫大な紙ファイルがイロハ順になっています。

ということでアイウエオ順にせず、イロハ順が使われています。

使い勝手を上げるために、まず地区割りにしてそれをイロハ順に並べたりなどという工夫をそれぞれの年金事務所でやってきたようです。

プリントアウトをアイウエオ順にソートするようにして、えいやっと過去のファイルを並び替えれば、済む話のようです。

あるいは手書きのメモなどもシステムに取り込んでしまえば、紙ファイルでの管理そのものが要らなくなります。

あるいはコンピュータ化で番号に置き換えたのですから、番号ですべて管理するようにすればよいのかもしれません。

届け出の提出の確認は、紙でやる理由がわかりません。一覧性の問題でしょうか。

システムの改善方法はいろいろありそうです。

年金機構の課長会議などで、イロハ順の使い勝手が悪かったり、有期雇用の職員が困っていたりという話も出ているようです。

ただ、年金事務所には、予算が限られている中で、過去の積み上げてきた複雑な給付の計算を手計算からシステムでできるようにしたいということをはじめ、より切迫し、かつ効率化の効果の高い手作業が残っているため、年金機構も厚労省も踏み切れなかったということのようです。

年金機構の抱える問題はまだまだいろいろありそうです。




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