牛肉工場

2015.10.02

この九月に、中国の大連で開催されたWorld Economic ForumのAnnual Meeting of the New Champions 2015、またはサマーダボス会議に出席しました。遅ればせながらその報告です。

中国のエネルギー政策の第一人者である厦門大学の林伯強教授をはじめ様々な会議の参加者と一対一のミーティングを持つことができるのもこの会議のいいところですが、今回の会議は、技術と科学にかなり特化したものになっていて、様々な技術を実際に体験することもできます。

例えばバーチャルリアリティのコーナーでは、ヨルダンに設けられたシリア難民のためのザワタリキャンプの様子を、特殊なゴーグルをかけることによって、まるで実際そこにいるかのように体験することができます。

キャンプ内の教室の中で、生徒の一人になったかのように座っていて、後ろを向くと後ろの席の生徒が微笑んできます。

敦煌の洞窟画をデジタル化してそれを再現したブースや実際のロボットが登場するブースなど、科学技術がこれでもかと出てきます。

今回の会議の中で最も印象的だったのが、オランダのマーストリヒト大学のマーク・ポスト教授のプレゼンテーションでした。

経済が発展するにつれて肉食の割合が増えていくというデータから始まって、肉類の生産のために耕作可能な土地の七割が使われている、これからインドや中国が経済成長を続けていけば、この状況は持続可能ではない、だから...

肉を養殖しよう!

今でも、ウシを養殖しているではないかと思うかもしれません。ウシを養殖するのではなく、肉を養殖しようというのです。

ウシやブタの筋肉からとった幹細胞を養殖して、ウシやブタを介さず、直接、牛肉や豚肉をつくろうというのです。

シャーレのなかでつくられた牛肉を料理して、料理評論家に食べさせているビデオが流されました。

この最初のクォーターパウンダーをつくるのにクォーターミリオンかかったそうです。

料理評論家は、さかんに匂いをかぎ、おっかなびっくりといった様子で肉を切って口に運んでいました。

感想は、「肉だ、まずくない。」

ウシの「筋肉」だけを増やしているので、まったく脂肪がない肉になります。

脂肪の細胞を混ぜて、脂肪分を調整することもできるようになるそうです。

このように幹細胞から肉をつくれば、ウシに飼料を食べさせる必要がないため、現在のように、飼料を生産するために土地を無駄にしたり、水やエネルギーをふんだんに使ったりしないで必要な肉を生産することができようになるそうです。

面白そうな顔をして聞き入っている人もいれば、顔をしかめている人(それでもわざわざこのセッションを選んで参加しているわけですが)もいました。

動物を殺さないで肉が食べられるようになれば、今のベジタリアンのなかには肉を食べられるようになるベジタリアンもいるだろうなとつぶやいていた人もいました。

この肉を食べたいか、この肉がおいしいか、この肉のコストが現実に下がってくるのか等々、疑問は尽きませんが、こういうことを研究し、ビジネスにしようという人が世の中にはどんどん出てきているのが現実です。

今までなかったビジネスや市場を創りだし、経済を発展させるのがアベノミクスの狙いです。日本発の新しいビジネス、新しい市場をどうつくっていくのか。



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