黒塗りの下

2015.08.06

国立競技場に関する有識者会議の議事録の中で黒塗りにされていた部分が明らかになった。

例えば、安藤座長が国際コンペで第二位になったコックス案についてコメントしている部分がある。

『この建築は具体的に機能性と建築技術的な問題と、実現性においては非常に高いのではないかと。今回においては最優秀案よりも具体性ではこちらのほうが高いのですけれども、我々はスポーツというのは挑戦すると、可能性に挑戦するという意味では最優秀案のほうが、それに日本の技術者が立ち向かっていくという意味ではいいのではないかというので最優秀案にはしませんでした。そして、この実現性のある、ある面では臨場感もありますし、屋上庭園等も含めて大変魅力的な案がたくさん盛り込まれています。また、ホスピタリティの問題等も提案がありまして、ある意味では国立競技場としては問題ないというふうに思いましたけれども、こちらよりも最優秀案のほうが大変魅力的であるという意味で最優秀案を選びました。』

最優秀案については、コメント部分はすでに公開されているが
『この建物はかなりスケールが大きいのと同時に、技術的な問題もたくさんあります。そのような問題を解決できるのは日本の国の土木建築技術力でしかなかなかつくり得ないようなところがたくさんありまして、そういう意味では日本の建築技術、土木技術、そして日本の技術力というものを世界にアピールするという意味でも非常に、これをつくり上げていくということになれば、日本の多くの国民の人たちもこれに心から参加できるのではないかということも、これを選定した理由であります。』

『しかし、問題はたくさんあります。これだけ大きなスケールのものを世界中はつくったことがありませんので、この技術はこれから設計者と、同時に基本設計者、実施設計者を選びますけれども、これは入札によって選ばれるわけですが、その人たちとのしっかりしたコミュニケーションのなかでつくりあげていかなければならないというふうに思っています。』

ワールドカップまで時間がないという状況の中で、問題が多いということが認識されている案を選ぼうという座長の提案に対して、スケジュール面からの疑問の声が上がらなかった。

さらに、費用に関していえば、全く議論がなかった。

この国立競技場将来構想有識者会議で、コストが議論されたことはないようだ。1300億円というコンペのコストについても有識者会議はもとより、その下のワーキンググループですら提示されていない。

1300億円の根拠どころか、1300億円という数字すらないのだ。



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