原発停止の燃料コスト

2015.07.19

これまで経産省は、原発が停止したことによる燃料費の増加がいくらだという数字を何回か出している。

例えば、福島第一原発の事故を受けた原発停止の影響で、火力発電の焚き増しにより、2012年度に燃料費が3.1兆円増えたと経産省は主張している。

経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第2回資料によると、2012年度実績という欄に、原発停止による燃料費の増加が3.1兆円と明記されている。

しかし、これは嘘だった。

さらに2013年度の原発停止による燃料費の焚き増しは3.8兆円にも上るとしているが、その数字にも信憑性はない。

そこで経産省に、2010年度から2014年度までの各年度に電力10社が使用した実際の化石燃料の使用量、その年度の平均燃料価格を出してもらった。

LNG、石油、石炭、ウランの合計輸入金額は

2010 33,764億円 2010比
2011 56,627 22,863億円の増
2012 66,174 32,410
2013 72,883 39,119
2014 67,280 33,516

しかし、化石燃料の価格は2010年以降上昇している。ドル建ての単価の上昇に加えて、アベノミクスによる円安も相まって、円建ての価格は大きく値上がりしている。

そこで、2010年度と比べて増加した化石燃料の使用量に2010年度の価格をかけて、輸入金額がいくら増加したかをみると

2010 0億円の増
2011 12,376
2012 17,366
2013 15,525
2014 11,208

さらにそこからウラン燃料の輸入が減った分を差し引くと、
2010 0億円の増
2011 11,410
2012 15,941
2013 14,055
2014 9,690

これは資源エネルギー庁の電力基盤整備課と原子力政策課が調べて出してきた数字だ。

もちろん焚き増しで燃料費が増えたことは間違いがない。だがしかし、その規模を正確に国民に伝えるのは行政の役割のはずだ。

行政が、いいかげんな「前提条件」をでっち上げて、現実とは全く違う数字をあたかも現実のように伝えようとするならば、政治がそれをやめさせなければならない。



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