エボラウィルスとピオット博士

2014.11.01

エボラウィルスを発見したピーター・ピオット博士が来日され、武見敬三、山本一太両参議院議員、黒川清博士、BTスリングビーGHIT専務理事と朝食をとりながら話をする。

ピオット博士は、今回のエボラの流行は人道的な危機としてとらえられるべきで、各国が拠出してきた国際的な保健医療の資金とは別建てで拠出が行われるべきだと強調する。

以下、ピオット博士。

西アフリカの医療システムの再構築までが必要になり、そこまでの国際的な支援が必要だ。

エボラウィルスはインフルエンザウィルスと違って変異を起こしにくく、空気感染するような変異は起きていない。しかし、これからも変異が起きないとは言えない。

かつて梅毒が、もともとは致命的な病気であったが、だんだんと宿主を殺さないような変化を遂げたのとおなじように、エボラウィルスもそのような変化を起こすかもしれない。

アビガンという日本で開発された抗ウイルス薬の治験が西アフリカで始まっている。問題はエボラウィルスにはどのぐらいの容量が必要かということ。

すでにマウスで行われたテストの結果が出ている。

先進国は、医療チームが万が一、感染した時にヨーロッパの医療機関に移送するシステムを作ってきたが、むしろ西アフリカに先進的な病院を建設してしまうほうがコスト的には安い。

アメリカもボストン市内でボストン大学のBSL-4レベルの施設が稼働する。以上。

日本ではBSL-4レベルの施設は武蔵村山市にある国立感染症研究所村山庁舎にしかないが、厚労大臣の指定がなくBSL-4としては使用できない。

先日、羽田に入国したエボラ感染の疑いのある人の血液は、同じ村山庁舎のBSL-3で検査され、陰性だった。検査まではBSL-3レベルの施設で可能だが、実際に国内で発症するとBSL-4の施設がなければならない。

現在の国内体制は、ギニア、リベリア、シエラレオネの三国へ過去21日以内に渡航した者が帰国・入国した場合、及びコンゴ民主共和国に過去21日以内に渡航しエボラ出血熱患者及びその疑いのある者の体液等との接触がある者は健康監視におかれる。

健康監視とは、検疫法にのっとり、1日2回体温を測り、検疫所に報告をする。これを怠ると懲役及び罰金が科せられることもある。

健康監視下にある者が発熱した場合は、速やかに検疫所に連絡する。

検疫所は、その者の住所のある保健所を管轄する自治体に連絡を入れる。保健所は、自治体等と連携して、患者を特定感染症指定医療機関(全国で3か所、8病床)または第一種感染症指定医療機関(44か所、84病床)に移送する。

今回の流行で患者が発生したナイジェリアは発症者20人、死亡8人で終息した。

今回の流行とは別にエボラが発生しているコンゴ民主共和国では患者数66人、死亡49人。



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