外地特別会計

2013.12.17

これまでもこのブログで何度か書いてきた旧臨時軍事費特別会計計算書が、今回の特別会計改革の中でひっそりと廃止される!!
しかしまだ、昭和19年、20年の2年間にわたり、外地特会とよばれるいくつかの特別会計の決算が終わっていないまま、放置されている。
朝鮮総督府特別会計
明治43年に朝鮮総督府が設置され、同年この特別会計が設置された。
財源は租税及び官業収入。朝鮮総督府の場合は、特に鉄道。
のちに内地で調達された公債が産業開発の財源となった。日華事変以後は戦費充当のため収税が強化され、最終的には軍事費への繰り入れが歳出の2割を占めた。
昭和19年 歳出22.5億円 歳入28.4億円
昭和20年 歳出10.9億円 歳入5.4億円
朝鮮鉄道用品資金特別会計
大正14年設置。朝鮮における鉄道事業そのものを除く鉄道事業関連事業の用品資金として朝鮮総督府特別会計から独立させたもの。
昭和19年 歳出1.1億円 歳入1.1億円
昭和20年 歳出0.04億円 歳入0.04億円
朝鮮食糧管理特別会計
昭和18年設置。朝鮮における米穀供給の逼迫に対処するためにこの特別会計のもとで需給調整及び配給統制を行った。
日華事変以降、内地の食糧管理特別会計、朝鮮及び台湾の食糧管理特別会計で食糧増産対策及び公定価格維持のために多額の資金が投入された。
昭和19年 歳出7.2億円 歳入7.3億円
昭和20年 歳出1.1億円 歳入1.2億円
朝鮮簡易生命保険及び郵便年金特別会計
昭和18年設置。朝鮮における簡易生命保険及び郵便年金事業について、独立した事業会計を設けた。
最終的な簡易保険は900万件を超え、保険金額は20億円に達した。この積立金は大蔵省預金部へ預入られた。
昭和19年 歳出0.7億円 歳入1.6億円
昭和20年 歳出0.2億円 歳入0.4億円
台湾総督府特別会計
明治30年に設置。当初、土木水利事業に一般会計から補充金が投入されたが、台湾の経済発展に伴い、明治38年には財政的に独立した。
歳入は、鉄道、通信、専売事業に事業収入が多く、所得税などの租税がそれに加わる。日華事変以後、軍事費負担の増税が繰り返されて、昭和19年までに4億円近い軍費繰り入れが行われた。
昭和19年 歳出6.0億円 歳入8.4億円
昭和20年 歳出1.2億円 歳入1.0億円
台湾事業用品資金特別会計
昭和19年設置。台湾における運輸通信事業などの政府事業の用品資金を独立させたもの。
昭和19年 歳出0.2億円 歳入0.1億円
昭和20年 歳出0.04億円 歳入0.04億円
台湾食糧特別会計
昭和19年設置。従来の台湾米穀移出管理特別会計を改称。内外地の食糧事情の逼迫に対処するため、台湾における米穀の生産奨励と米穀の買い入れを行った。
昭和19年 歳出2.2億円 歳入2.2億円
昭和20年 歳出0.7億円 歳入0.4億円
関東庁特別会計
明治40年設置。日露戦争の結果、租借権を継承した関東州に関東庁がおかれた。東清鉄道南部線の割譲の結果、関東州外の南満州鉄道付属地にも関東庁の行政が及んだ。
当初は軍政が敷かれたがその撤廃とともに特別会計が設置された。
当初は財政基盤が脆弱で、一般会計からの補充金が財源の大半だったが、産業貿易の振興により租税収入が増え、満州国成立以降は、大陸への門戸として発展し、昭和10年に財政上独立した。
日華事変以降、収税が強化され、歳入は昭和12年の0.4億円から昭和19年には3.4億円に急増し、その過半が軍費に繰り入れられた。
昭和19年 歳出2.2億円 歳入3.4億円
昭和20年 歳出0.4億円 歳入0.7億円
樺太庁特別会計
明治40年設置。日露戦争の結果、ロシアより樺太を割譲され、樺太庁がおかれた。
租税収入に乏しく、国費支弁、森林収入に大きく依存していた。
戦時財政体制のもとでは石炭増産に向けた一般会計からの補充金が顕著に行われた。
昭和19年 歳出1.5億円 歳入1.8億円
昭和20年 歳出0.2億円 歳入0.1億円
南洋庁特別会計
大正11年設置。日本の委任統治領となった当初は財源に乏しく燐鉱採掘による官業収入が主たる収入で国庫補充金が必要だったが、その後、製糖業が発展し、昭和7年に財政的に独立した。
租税収入の多くは出港税であり、現地負担は限られていた。歳出は港湾施設の開発事業費及び航路維持費が多かった。
昭和19年半ば以降、米軍の侵攻により南洋庁は機能を停止した。
昭和19年 歳出0.2億円 歳入0.3億円
昭和20年 歳出0.1億円 歳入0.1億円



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