日中漁業協定

最近の尖閣諸島問題をめぐって、孫崎享著の「日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905)」や東郷和彦・保阪正康共著「日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島 (角川oneテーマ21)」などに、「ごまめの歯ぎしり」から引用されているので、それを下に再掲します。
リンク切れは新しいものに更新してあります。
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日中漁業協定
2010年09月28日 22:45
日中漁業協定は、2000年6月1日に発効した。
日中漁業協定のわかりやすい水域図は、たとえば下記参照。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/pdf/120413_1-02.pdf
この協定によると、済州島の南あたりから北緯30度40分までと東経124度45分から東経127度30分の間を中間水域とし、この水域では相手側の許可なしに日中双方の漁船が操業をすることができる。
北緯30度40分から北緯27度までの間では、排他的経済水域及び大陸棚の境界画定までの間、暫定的に日中両国共同で海洋生物資源の量的管理を行う。この海域では、自国漁船に対して取締りを行い、相手国漁船の違反等に関しては外交ルートで注意喚起を行う。
北緯27度以南は、新たな規制措置を導入しない。現実的には自国の漁船を取締り、相手国漁船の問題は外交ルートでの注意喚起を行う。(尖閣諸島はこの水域に入る)
尖閣諸島より北に当たる暫定措置水域では、中国側が出している操業許可証がおよそ18000隻。このすべてが同時に漁をするわけではないが、ものすごい数の中国漁船がこの水域で操業している。
それに対して、この水域で操業する日本船は、巻き網船が十隻程度といわれる。
この水域で中国側の許可なく操業している中国船を水産庁または海上保安庁の巡視船が発見すると、違反船の写真を撮り、外交ルートで中国に注意喚起する。
尖閣諸島を含む北緯27度以南の水域では、お互いが自国の漁船だけを取り締まる。中国船はかわはぎを狙って数百隻がこの水域で漁をするが、日本は11月頃のカツオ漁の船が中心で数も少ない。
海上保安庁は、尖閣諸島周辺の領海をパトロールし、領海内で操業している中国船は、違法行為なので退去させる。操業していない中国漁船については無害通行権があり、領海外に出るまで見守る。
今年は昨年より領海内を通行する中国船の数は多く、数十隻から百数十隻に上るとみられる。
現在でも尖閣諸島の領海内で複数の海上保安庁の船がパトロールをしており、領海の周りを中国の監視船が徘徊している。領海の外を中国の監視船がパトロールするのは漁業協定に違反しているわけではないが、これまでそういう行動はなかった。
これまでのように外国船の領海への侵入を防ぐことによる尖閣諸島への主権の行使を続けるのか、もっと具体的な主権の行使を行うのか(中国はこれまで以上に反発し更なる報復に出るだろうが)、日本の最初の決断だ。
強い言葉や感情に流されず、現実的にどのような状況を日本がこの地域につくりたいのか、その力があるか、まず、それをきちんと議論したい。



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