河野太郎の自民党総裁選 2009

自由民主党改革宣言

 先の総選挙で、自民党は野党に転落した。誠に残念ではあるが、我々はこれを奇貨として自由民主党を抜本的に改革し、次の総選挙で再び国民の信任を得て政権に返り咲く用意をしなければならない。

自由民主党とは何であるのか。

 かつての55年体制の下では、自由民主党は自由主義、資本主義、そして日米同盟を主張し、共産主義に対抗し、社会党をはじめとする野党とは明確な対立軸があった。
 しかし、共産主義が敗れ、冷戦が終わると、日本国内で自民党と違う主張をする政党は、圧倒的に少数になってしまった。その圧倒的な勝利故に、55年体制で創られた自由民主党は、その政党としての再定義が必要となったのである。冷戦終結後、自民党とは何かという問いに対して、政権与党であるとしか答えられなくなっていたのが現実である。しかし、野党になってしまった自民党にはそう答えることはできない。
 野党になった今、自由民主党とは何なのかという問いに明確な答えを出さなければならない。そして、その答えが出て初めて自民党の建て直しが始まるのである。

新しい自由民主党とは何か。

それは、やはりこれまで自由民主党が掲げてきた健全な保守の理念をより明確に追求する政党である。
 我々は、経済を非効率的な政府のくびきから切り離し、公平かつ健全な競争環境の中から生み出される強い産業を背景に、国際的な競争力を高めることにより全ての国民に世界で最高レベルの生活水準を保証することを目指す。そして、健全な競争の前提としていかなる弱者にも安心をもたらす社会保障を実現する。より多くの権限を財源とともにより国民に近いところ、つまり地方政府に移すことにより民主主義を身近なものとする。世界的な平和と安寧を維持するために、応分の負担を厭わず、日本独自の貢献を続ける努力をしなければならない。こうした目標を達成するのが政党としての自由民主党の使命である。
 我々は、以上の理念に基づいて、強い決意の下、自民党改革を断固実現する。

党員、党友の皆様へ

 自由民主党は去る8月30日投票の総選挙で歴史的大敗北を喫しました。有権者から突きつけられた厳しい結果を前にして、謙虚に反省し、派閥政治や官僚とのなれ合いといった過去の体質を完全に清算し、新たな党として生まれ変わらなくてはなりません。
 一方で、「大きな政府」、「再配分」路線をとる民主党政権に対する対立軸としての健全な保守政党としての諸政策に磨きをかけていかなくてはなりません。
 私はこれまで時として党内の実力者や既存の勢力から強い反発を受けながらも、勇気を持って自民党の古い体質と対決してきました。今回わが党の結党以来の最大の危機にあたり、聖域無き党改革を断行し、自由民主党を真の健全なる保守勢力として国民の期待に応えられる政党に再生すべく、志を同じくする仲間と共に、立ち上がりました。真の党改革は、しがらみがなく、立候補に当たって派閥単位の応援を受けることのなかった私、河野太郎にしか断行できません。党員、党友のみなさま方のご支持をお願い申し上げます。

 河野太郎は自民党総裁として、以下の3点を実行することをお約束します

聖域無き党改革の断行
自由主義経済の中での「安心」や「公平」の実現
健全な保守政党として目指すべき国の姿の再定義

■聖域無き党改革の断行
  • 世代交代を実現し、国民から期待される自民党執行部を組織する
  • 派閥政治の解消
    • 人事、資金、候補者選定など党運営から派閥の関与を排除
    • 全議員懇談会や地域ブロック別懇談会で情報の交流を図る
  • 選挙力の強化(次期参議院選挙に向けただちに断行)
    • 開かれた選考で有能かつ清新な候補者を発掘
    • 時代にあった戦略・戦術の研究とノウハウの全国的共有
  • 政策力の強化
    • 影の内閣を直ちに設置
    • マニフェストの策定に着手し、政権奪還に向けた政権構想を恒常的にバージョンアップ
    • シンクタンクの活用等民間との協働による政策立案を強化
    • 党所属議員、地方議員、党員、職員の政策立案能力を強化
  • 情報力の強化
    • 地方の声、働く現場の声、弱者の声を党に吸い上げ、政策に反映するシステムを確立する
    • タウンミーティングや国政相談会を全国各地で実施
    • 党幹部による現場視察の頻繁な実施
    • 地方議員、党員との情報交流の徹底と政策研修を実現
    • 広報・公聴戦略の抜本的強化
  • 組織力の強化
    • 議員後援会経由ではない、党本部直属党員の増強(目標100万人)
    • 全国の党員、地方議員の代表と共に、党の政策を練り上げるために数日間にわたる全国党大会を毎年、開催
    • ニュービジネスやネット関連等、いままでにない支持組織を開拓
    • 青年局の年齢引き下げと全国の大学に学生部を設置
  • 対決力の強化
    • 影の内閣で民主党政権の政策を検証し、国会論戦において正論で挑む
    • 委員会等の質問者は、年功序列や悪平等を廃し、有能な若手を積極的に登用
■自由主義経済の中での「安心」や「公平」の実現
  • プラス成長を達成し、日本経済を強くすることで1人1人の豊かさを実現
  • 既得権のない公平な競争環境の創出
  • プラス成長による配当としての社会保障の充実
  • 職業訓練の充実など雇用における安心感の実現
■健全な保守政党として目指すべき国の姿の再定義
  • 現実的政策論だけではなく、哲学、政治思想も党内で議論を深める
  • 日米安保を基軸とし、「自由」、「民主主義」、「基本的人権の尊重」、「法の支配」等の価値観を軸にした外交を展開
  • 効率がよく無駄のない小さな政府の実現
  • 地方分権の徹底、道州制の導入、公務員制度改革と中央省庁の大再編、国の出先機関の全廃を通じた徹底した行財政改革
  • 明日の日本を創る教育現場の再生
    • 公教育の充実による公平な機会の実現と国際競争力のある人材の育成


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