青森県視察

2012.06.04

6月1日金曜日、自民党のエネルギー特命委員長山本一太参議院議員、岩屋毅代議士と三人で、青森県の大間、六ヶ所を視察する。

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誰が名付けたか「脱原発三銃士」。

地元の江渡聡徳代議士、山崎力参議院議員も現地で合流。

大間と六ヶ所では地元の方々との意見交換会も設営され、非常に有意義だった。

flower.jpg横浜町の菜の花。

wind.jpg風況のよい六ヶ所村には発電用風車が77基ある。

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大間原発の正面の津軽海峡を釜山とアメリカ西海岸我結ぶ韓国の貨物船が頻繁に通る。

国の政策にきちんとコミットしてくれた地域に対しては、その後、国の政策が変わっても、その地域に対する国のコミットをしっかり守るということを伝えなければならない。

六ヶ所村の方々が心配しているのは、賛否両論あったなかで、時間をかけて核燃料サイクル事業に協力するという方向性をまとめてきたのに、核燃料サイクル政策がここで変わってしまったら、六ヶ所村がおいてけぼりになってしまうのではないかということだ。

国の政策はもちろん変わることがある。とくに核燃料サイクル政策は変わらざるを得ない。しかし、国の政策が変わっても、六ヶ所村に対する国のコミットメントは変わらないということを、きちんと地元のみなさまにお伝えした。

六ヶ所村のために国が政策を変えられないということがあってはならないし、国が途中で政策を変えたからといって、その地域をほっぽり出すことはありえないということを地元の皆様にはこれからも丁寧に説明し続けなければならない。

大間の電源開発による原発は、まず、大間原発をどうするのかという根本の問題がある。

さらに、地域では、原発が建設中は二千人から三千人の関係者が出入りしていたが、311以降の工事ストップで、その人数が激減している。だから早い工事再開を、というのが地元の声だが、実は現在、工事現場にはメンテナンスのために数百人がいる。電源開発によれば、その人数は原発が稼働してからの人数と大差ないという。

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建設中の大間原発。正面は原子炉建屋、左はサービス建屋。その奥に海が見える。311以降、工事は中断している。

だとすると、工事が行われている間は地域経済は潤うのかもしれないが、竣工して稼働が始まり、稼働状況の人数になったら町の経済は、また「足りなく」なってしまうかもしれない。

固定資産税が入り始めれば、というかもしれないが、その税収を何に使うのかが問題だ。これまでのように箱物をつくってしまえば、その維持費もかかり地域の発展にはつながらない。新しい産業の誘致、育成や、次世代の子供達の教育のために、増収分で行うプログラムがあるだろうか。

原発を誘致したからといって、その地域がそれだけで発展するわけではない。大間町とその周辺のみなさんとの意見交換をこれからもしっかり継続していかなければならない。

大間原発の場合、なぜ、電源開発がこんなコストのかかるものをやるのだろうか。このフルMOX原発は、ウラン燃料を燃やす場合と比べて、建設コストも余計にかかり、ランニングコストも高い。現場で、副社長に尋ねたが、明確な答えは返ってこない。

電源開発は、こんなフルMOXに手を染めるよりも、むしろコストの安い既存の水力発電や火力発電で小売参入をすべきだ。そのために、きちんと既存の電力の送電網を所有権分離して、地域独占を廃して、新規参入ができる市場をつくるのが我々の役目だ。

電源開発は、九電力の地域独占を廃止し、発送電分離を実現したときに、電気料金引き下げの先兵になる企業だ。

そのためにも政治がきちんと送電網の所有権分離等の道筋をはっきりさせる必要がある。

そして電源開発も、少なくとも意味のはっきりしないフルMOXはやめるべきだ。

視察の前日には、日本原燃の川井吉彦社長から、六ヶ所の再処理工場、19回目の竣工延期という話が出ていた。

MOX工場ももはや不要だし、日本原燃の企業としての在り方についても議論を始める必要がある。



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