原発再稼働についての細野大臣の発言等に関する質問主意書への答弁書

2012.04.29

問い 原発の再稼働について、細野大臣はこれまで繰り返して、再稼働するかどうかと電力の需給は関係ない、電力の供給がどうあろうとも、原発を再稼働させるかどうかは原発が安全かどうかのみで判断すると言い続けてきた。

青森県で開催されたG1サミットやテレビ朝日で放送された「朝まで生テレビ」でも同様の発言をしている。しかし、今回、枝野大臣が、関西電力における夏場の電力不足をあげて再稼働が必要だとの発言をしている。細野大臣のこれまでの発言は、嘘だったのか。

問い あるいは大臣の個人的な発言で、政府の公式な見解ではなかったのか。もし個人的な見解であったなら、なぜ、政府の見解と違う個人的な見解を繰り返す大臣を、政府は制止しなかったのか。

問い これまで政府は、原発再稼働は、電力需給に関係なく安全のみで判断すべきだという見解に達したことはないのか、もしあるならば、それはいつ頃で、また、なぜ、いつ頃、その見解を変えるに至ったのか記せ。

答え 定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開については、安全上重要な施設・危機等が設計上の想定を超える事象に対し、どの程度の安全裕度を有するのかという点について、欧州諸国で導入されたストレステストを参考に、新たな手続やルールに基づく安全評価を原子力事業者が行い、その評価結果について保安院が確認し、さらに内閣府原子力安全委員会がその確認の妥当性を確認した上で、野田内閣総理大臣、藤村官房長官、枝野経産大臣、細野特命担当大臣が、原子力発電所の運転再開にあたっての安全性に関する判断基準に基づき、地震・津波による全電源喪失という事象の進展を防止するための安全対策が既に講じられていることや、原子力事業者が更なる安全性・信頼性の向上のための実施計画を明らかにしていること等について確認した上で、住民の理解や国民の信頼が得られているかという点も踏まえ、その可否を総合的に判断していくとしており、政府としてこれと異なる見解に達したことはない。

なお、細野特命担当大臣においては、定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開については、安全性の確認が前提であり、その確認については電力需給によって影響を受けることはない旨の発言をしたものである。

原発の安全性の確認については電力需給の影響を受けないなどというのはあたりまえの話であり、そんなことを大臣が力説していたのだろうか。大臣ははっきりと、再稼働するかどうかは需給には関係なく安全性のみで決めると発言していた。よくこんな答弁書に細野大臣は閣議で署名をしたものだ。


問い 政府は、関西電力の夏場の供給力不足を大飯原発の再稼働の必要性にあげているが、関西電力管内および西日本全域で、関西電力およびその他の電力会社に余剰電力を販売することができる企業の自家用発電設備容量をどれぐらいあると政府は認識しているか。

問い そうした企業から電力を購入するにあたって、関西電力が支払うとされている電力の単価はkWhあたりいくらと想定して、計算しているか。

問い その単価を決めた前提は何か。

答え 電気関係報告規則に基づく報告によれば、平成23年3月末における出力千キロワット以上の自家用電気工作物を設置する者が有する発電設備(以下、自家発設備)の最大出力は、関西電力の供給区域で685万キロワットであり、関西電力、中国電力、四国電力及び九州電力の供給区域(以下、西日本)全体で2170万キロワットである。

このうち、経産省が同年7月に行った自家発設備に関する調査によれば、一般電気事業者向けに売電していると回答したものは、関西電力の供給区域において約64万キロワット、西日本全体で115万キロワットであり、余剰電力があると回答したものは、関西電力の供給区域において約66万キロワット、西日本全体で約147万キロワットであり、一般電気事業者向けに売電していると回答したものと余剰電力があると回答したものとの合計は、関西電力の供給区域において130万キロワット、西日本全体で約261万キロワットである。

また、当該調査においては、売電価格の高低にかかわらず、事業者による余剰電力の販売が可能な量を調査しているが、これらの売電価格については調査を行っておらず、把握していない。

買い取る価格が高くなれば、それだけ供給が増えるという市場原理を無視した調査に意味があるのだろうか。いくらで売りますかという価格情報なしで、売電しますかと聞いたのだろうか。

問い なぜ、2011年の関西電力の供給力を計算した政府想定と比べて、自家発電の購入量が減少しているのか。

答え 関西電力においては、関西電力が自家発設備から調達する供給力について、平成23年夏については93万キロワットと見込んでいたが、平成24年夏については、89万キロワットと見込んでいる。

これは同年夏の電力需給が逼迫する可能性が高い状況等を踏まえ、需要家が自家発設備を万一の際のバックアップ電源とみなして売電を控えることにより、自家発設備からの調達が困難になることが見込まれること等が理由であると承知している。

調達価格が高くなれば、供給が増えるということを考慮していない。

問い 政府は、関西電力管内の発電所が定期点検などで発電を止める日程をどう認識し、供給力を計算しているのか。

問い 供給力を計算する時に使用した関西電力の発電所ごとの今年いっぱいの定期点検などのスケジュールを記せ。政府は、そのスケジュールをどのように変更させれば、どれだけ供給力を増やせると認識しているか。

答え 平成24年7月及び8月において、関西電力管内において定期点検等で発電を停止する火力発電所及び水力発電所はなく、稼働できるものは全て同年夏の供給力に織り込んでいる。また、同年秋以降の各発電所の定期点検については、関西電力において、同年夏までの各発電所の稼働状況等を踏まえて計画を作成し、経産省において、これを精査していくこととなる。

問い 2011年3月末において関西電力が結んでいた需給調整契約の種類と件数、対象となる電力量を記せ。また、2012年3月末の同様の数字を記せ。

答え 関西電力からの報告によれば、関西電力が締結する需給調整契約の種類には随時調整契約と計画調整契約があり、平成23年3月末において関西電力が大口需要家と締結していた同年夏に適用される需給調整契約の契約件数は260件であり、需給調整契約により抑制することが可能な電力の最大値は49万キロワットであり、また、平成24年3月末において関西電力が大口需要家と締結した同年夏に適用される需給調整契約の契約件数は24件であり、需給調整契約により抑制することが可能な電力の最大値は36万キロワットである。

関西電力は、原発が止まり、供給力が低下することがわかっているにもかかわらず、需給調整契約を増やしていないというのは、経営の怠慢ではないのか。

問い 経産省は、この間、需給調整契約を増やすために何をしてきたのか、具体的に記せ。

答え 経産省は、関西電力等に対し、需給調整契約の内容を拡充するよう指導するとともに、平成24年3月以降、所管に係る業界団体等に対し、電力会社からの需給調整契約の締結に係る提案に応じて対応を検討するよう伝えている。

指導をまったく無視されてきた。

問い 2010年の夏に、関西電力管内の最大電力需要量はいくらであったか。

答え 関西電力からの報告によれば、関西電力の供給区域における平成22年夏の最大電力は3095万キロワットである。

問い その最大電力需要量から100万kW以内に関西電力管内の需要が留まったのは2010年一年間に何時間あったか。最大電力需要量から200万kW以内に関西電力管内の需要が留まったのは2010年一年間に何時間だったか。最大電力需要量から300万kW以内に関西電力管内の需要が留まったのは2010年一年間に何時間だったか。

答え 関西電力によれば、前の質問についての答えでお示しした最大電力の値から百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は30時間であり、二百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は107時間であり、三百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は188時間である。

つまり本当に需給がきついのは一年間のうち、30時間。

問い この時間帯のピークカットのために政府は関西電力にこれまで何を命じてきたか。また関西電力はこれまでどういう対応をしてきたと政府は認識しているか。

答え お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府において、関西電力に対し、平成22年夏に電力不足に対応するための施策を実施するよう指導した事実はない。

なお、政府においては、従来からヒートポンプ・蓄熱システムや蓄電池等の負担平準化機器の更なる普及に向けて必要な環境整備等の電力需要の負担平準化対策を推進している。

また、関西電力においては、従来から負担平準化に資するため、大口需要家に対し、需給調整契約への加入を促進してきたものと承知している。

問い 諸外国では、既に、メリットオーダーともよばれるピーク電力費用曲線を翌日には公開している。これを公開することにより、電力会社のピーク対応能力とその費用を国民も知ることができる。政府は、各電力会社に対して、これを公開させるべきではないか。

答え お尋ねの「ピーク電力費用曲線」の趣旨が必ずしも明らかではないが、ピークカットに資する一般電気事業者の情報公開の在り方については、今後検討してまいりたい。



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