東京電力の使用済み核燃料の再処理に係る費用に関する質問主意書への答弁書

2012.04.28

問い 東京電力はこれまでイギリスおよびフランスに使用済み核燃料の再処理を委託してきた。東京電力が両国に委託した再処理の費用は、トンあたりそれぞれいくらか。どの法人・企業に、これまでいくら支払ってきたのか。

問い また、この費用の中には取り出されたプルトニウムおよび高レベル放射性廃棄物の保管料が含まれているのか。含まれているならば、それはどのように計算され、プルトニウム、高レベル放射性廃棄物それぞれ一トン・一年あたりいくらになるのか。

問い もし、保管料が再処理の費用に含まれていないならば、保管料はいくらになるのか。

問い 東京電力が今後、支払わなければならない再処理の委託費用および保管料はそれぞれいくらになると計算されるか。

答え 東京電力においては、イギリスのニュークリア・デコミッショニング・オーソリティ(以下NDA。NDAが契約上の地位を引き継いだブリティッシュ・ニュークリア・フュエル・PLC社を含む)及びフランスのアレバ・エヌシー社(前身であるコジェマ社を含む)との間で、それぞれ使用済燃料の再処理やプルトニウム及び高レベル放射性廃棄物の保管等に係る役務契約を結んでいると承知しているが、東京電力によれば、これらの役務に対して支払う金額については、公表すれば当該契約の当事者の他の取引に影響を与えるおそれがあることから、契約上、守秘義務を課せられており、公表できないとのことである。

問い その費用は今後の総括原価に含まれるのか。また、この再処理の委託費用と保管料は、総括原価に含まれてきたのか。含まれてきたのならば、なぜ、政府は、その金額を国民に明示させてこなかったのか。総括原価に含まれてきたこの費用が正しいものであったか、誰がどのように検証してきたのか。

答え 東京電力によれば、東京電力が電気事業法第19条第4項に基づき直近の平成20年7月28日に届け出を行った料金の原価については、お尋ねの「再処理の委託費用と保管料(以下再処理等費用)を含むが、一から四までについてお答えしたとおり、東京電力が再処理等の役務に対して支払った金額については、契約上、守秘義務を課せられており、公表できないとのことである。

なお、経産省においては、一般電気事業者から、同条第一項の規定に基づき、一般の需要に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条件について定めた供給約款について、料金引き上げに係る変更の認可申請を受けた場合、再処理等費用を含め、料金が能率的な経営の下における適正な原価に基づくものかどうか等について審査を行うことになる。他方、一般電気事業者から、同条第四項に基づき、供給約款について、料金引き下げに係る変更の届け出を受けた場合、このような審査を行うこととはなっていない。

問い 東京電力は、Pacific Nuclear Transit Limited(以下PNTL)の株または持ち分をどれだけ保有しているか、その資産価値は現在いくらか、また、それを売却して賠償に充てることは可能か。

答え 東京電力によれば、東京電力は、平成22年度末時点において、PNTL社の株式を12万5千株保有し、その簿価は約1600万円であるとのことである。

また、政府が平成24年2月13日に原子力損害賠償支援機構法に基づき認定した東京電力の特別事業計画において、「東電は、保有する有価証券について、電気事業の遂行に必要不可欠な者を除き、原則3年以内で3301億円相当の売却を実施する。(中略)また、資産売却の実施に当たっては、東電の資金繰り状況や市場の状況等を踏まえ、資産等の売却等の方法や時期、売却金額が適切なものとなるよう、機構が常時、東電の実施状況をモニタリング・管理する」とされているが、個別の有価証券の売却方針については、売却手続に影響を与える可能性があることから、お答えすることは差し控えたい。

問い PNTLの株主構成はどうなっているか、政府が認識するところを記せ。

答え 東京電力によれば、PNTL社の株主構成は、イギリスのインターナショナル・ニュークリア・サービシズ社、フランスのTNインターナショナル社、東京電力、関西電力、日本原子力発電株式会社、丸紅株式会社、住友商事株式会社及び双日株式会社とのことである。

問い 政府は、PNTLが物理的にどこに所在しているか確認しているか。

答え 東京電力によれば、PNTL社は、イギリスのカンブリア県に所在するとのことである。

問い これまで東京電力はPNTLに何をどれだけ輸送させてきたのか、また、そのコストはいくらか。その輸送コストは、他社と比べてどれだけ割高であったのか。

問い 東京電力がPNTLに輸送させたものとその量、その支払金額を記せ。

問い 東京電力がPNTLに支払ってきた金額を年度ごとに記せ。

答え 東京電力によれば、PNTL社においては、使用済燃料について、イギリスへ1244トン・ウラン、フランスへ630トン・ウランをそれぞれ我が国から輸送し、ガラス固化体について、イギリスから7本、フランスから261本をそれぞれ我が国へ輸送し、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体について、フランスから60本を我が国へ輸送したとのことである。

また、東京電力によれば、東京電力は、NDA及びアレバ・NC社との間で、それぞれ使用済燃料等の輸送に係る役務契約を結んでおり、これに基づき、PNTL社による使用済燃料等の輸送が行われたものであるところ、東京電力がこれらの役務に対して支払った金額については、公表すれば当該契約の当事者の他の取引に影響を与えるおそれがあることから、契約上、守秘義務を課せられており、公表できないとのことである。

問い 政府は、この東京電力が支払ってきた金額のうち、賠償金の原資として、どの程度の金額をPNTLから東京電力に対して返還させようとしているのか。

答え お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでなく、お答えすることは困難である。



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