在外公館で何が起きているのか

2012.01.17

ワシントンにある駐米国大使館とならぶ日本政府の巨大な在外公館である北京の駐中国大使館で問題が起きているようだ。

現在、大使館、広報センター、領事局と三つの建物に分かれている大使館機能を統合するために、新しい大使館が建設されたのだが、建築確認では吹き抜けになっているはずのところに部屋を作ったということが理由で、中国当局から引っ越しに待ったがかかり、引っ越しができないでいる。

昨年、引っ越しの直前に一度、引っ越しがキャンセルされ、今年1月8日に引っ越しをすることになっていたのが、前日の夜にまた、引っ越しがキャンセルされた。

セキュリティの観点から、日本の引っ越し業者が荷物の移動のために日本から日本人の作業員を送っていたのだが、結局、引っ越しが中止になり、無駄足になった。

このため、設計図通りに吹き抜けを復活させるのかと思いきや、日本にある中国の公館に何らかの便宜を図ることとバーターで引っ越しを認めさせるような取り決めが検討されているという噂もある。

70億円近い工事費をかけて建築した建物でもあり、また、現在、大使館には入れない部署のために毎月相当な金額の家賃を払って建物を借りているということもあり、外務省の対応の遅れはどういうことか。

外務省は、この他に、駐クロアチア大使がセクハラ事件を起こしたという報道に対し、抗議するどころか、この件については否定も肯定もしないという態度で、事実上セクハラがあったことを認めながら、処分を公開しないという不可思議な対応を取っている。

外務省の人事課は、外務省職員がセクハラで逮捕されたら公表するが、逮捕されなければ人事管理上で対応するとしている。

セクハラが確認されたら国家公務員法上の懲戒などの処分をとるとしているが、大使は特別職で国家公務員法上の処分が適用されないので、外務省の内規で厳重訓戒、訓戒、厳重注意、注意のいずれかの処分を下し、どの処分が下されたか、あるいは処分が下されたかどうかも公表しないとしている。

特命全権大使は、天皇により認証される認証官であり、事実無根なセクハラ報道などがあれば、断固抗議し、撤回謝罪させるのが当然であるはずだが、今回、外務省が一切そうした行動をとらず、外務大臣がこの件については否定も肯定もしないと発言しているので、役所として何もコメントしない方針というのは、論理的に考えて、セクハラがあったがコメントを差し控えているということになる。

いったい在外公館で何が起きているのか。

シャドウキャビネットの外交担当の小野寺代議士とも、在外公館設置法の改正案や条約の審議に入る前に、外務委員会と決算行政監視委員会で、きちんとこうした問題を解明することを確認した。



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