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生まれたばかりの赤ちゃんのために
2011.04.13
生まれたばかりの赤ちゃんから採血し、検査をする新生児スクリーニング検査というものがある。フェニルケトン尿症など6種類の疾患を発見することができるので、早期に的確な治療をすることができる。
このスクリーニング検査の検査費用は公費で負担される。(採血にあたっては、採血料金がかかり、これは個人負担になる)
これまで全国的に行われてきたこのスクリーニング検査よりも多くの疾患を発見できるタンデムマス検査というものがある。ふだんは症状がないのに風邪などをきっかけに重い脳症を発症する脂肪酸代謝異常等など24の疾患を発見することができる。
新年度からこのタンデムマスの検査費用が地方交付税に算定されることになり、厚労省から都道府県に対して、この検査の実施を積極的に検討するようお願いする通知を出した。
例えば、神奈川県では4月から、神奈川県予防医学協会のパイロットプロジェクトとして県立こども医療センター、聖マリアンナ医科大学病院、北里大学病院、東海大学付属病院でタンデムマス検査を開始し、下半期からは全県で検査を実施する。検査費はこれまで同様に公費負担(採血料は個人負担)。
統一地方選挙前半戦の県議選は、あまり投票率が上がらなかった。しかし、その県議会がこうした医療に県の予算をつけるかどうかを決めるのだ。
あるシンクタンクの研究員と社会保障の話をしていると、これからの医療は、国がナショナルミニマムを決めるのではなく、百万人から二百万人の地域単位で医療圏を設定し、国から権限と財源を移譲した上で、医療保険を実施するとともに公費負担したり、保険適用される医療のサービス内容もその医療圏で決めていくべきだというアイデアが出された。
一億二千万人の中で二百万人の医療圏が設定されれば、全国に60の医療圏ができることになる。それぞれの医療圏がマネジメント能力を競えば、現在の厚労省の一律行政ではできないことも可能になるだろう。
百万人が医療保険のサイズとして適当なのかなど、検討課題はたくさんあるが、年金と違って医療サービスは地域ごとにいろいろなやり方をするのが正しいのかもしれない。