最もエキサイティングな宮中行事

2010.12.24

天皇誕生日の宴会の儀について書いたブログにたくさんのメールをいただきました。宮中行事に関する質問を多数いただきました。

数ある宮中行事のなかで、私が最も楽しみにしているのが1月の鴨猟です。この鴨猟というのは、あまり世に知られていませんが、非常に興味深い伝統行事です。国会議員がお招きいただく宮内庁行事の中で、もっともエキサイティングなものといえます。

来年は1月6日に鴨猟が催されますが、残念ながら日程の都合で私は参加することはできません。

宮内庁は、皇太子がデートされた千葉の新浜と埼玉に鴨場を持っています。かつては浜離宮でもやっていたそうです。毎年十一月から二月の猟期に、内閣、衆議院議員、参議院議員、最高裁判所、それに各国外交団を六回に分け、都合十回ほどの鴨猟を催します。

鴨場に十時集合ですが、みんな交通事情がわからず、渋滞で遅れてはいけないと早く家を出るので、大体一時間前以上に着いてしまいます。そこで、すぐ近くにあるファミレスで、コーヒーなど飲んで時間をつぶします。

鴨場につきますと、まず、サイズの合う長靴を選び、薄いレインコートのようなコートと帽子と軍手をお借りします。しばし、オレンジジュースを飲んで(飲める人はシェリーなどのお酒)、輪投げなどをしながら全員集合するのをお庭で待ちます。何で輪投げなのかはわかりません。寒いので、炭火がたかれています。

全員そろうと、部屋に入り、鴨の捕り方というビデオを見て、鴨の捕り方を勉強します。紀子様が網を振っているところも写っています。それから班分けをします。

さで網という絹糸に柿の渋を塗った虫取り網の大型判のようなものを一人一本もって、十人一斑で出動です。

この猟は、鷹匠と呼ばれる、でも鴨猟の親分が、夏の間にあひるをよく訓練するところからはじまります。ちなみにこの鷹匠と長良川の鵜匠は国家公務員です。鵜匠は、代々親から子へ引き継がれますが、鷹匠は興味のある人を時々採用するそうです。

鴨場の真ん中には大きな池があり、三千羽ぐらいの鴨がシベリアから渡ってきます。鴨場の池から、細い堀が15本掘られています。この堀は、幅一メートル弱、長さ十メートルぐらいです。

堀ごとに番木があって、それをカンカンとならすとならされたアヒルが池から掘に泳いできます。鴨は、このおとりのアヒルにくっついて、堀に入ってきます。そこで、鷹匠がさっと餌をまき、堀の奥に誘導します。大体一つの堀に二十羽ちかい鴨が入ります。

鴨が十分堀に入ると、堀の入り口を閉め、待機していた我々が網を持って土手に上ります。

この堀は、幅が狭く、堀の土手は垂直につくられていて、二メートルぐらいの高さがあります。堀に入ってきた鴨は、人が来ると驚いて、飛び上がろうとしますが、堀の幅が狭く、土手が垂直にできているため、羽根をばたばたさせながら、ヘリコプターのように垂直に飛び上がろうとします。そこを我々が、さで網を振って、飛んでいるチョウチョウを捕まえるような感覚で、鴨を捕っていくわけです。

一羽捕まえると、網を後ろに待機している人にさっと渡し、次の網をもらい、堀に残っている鴨をねらいます。おとりのアヒルは飛べないので水面に残ります。

捕まえた鴨は、羽根を交差して、頭をそこにつっこむ(これが羽交い締め)と、全く動かなくなります。
これを最後にリヤカーで集め、計測して足輪をつけ、放鳥します。

その後、鴨場で繁殖している合鴨をごちそうになります。
かつては、取った鴨を食べていたそうですが、動物愛護のため、三十年ぐらい前から食べるための合鴨を養殖するようになったそうです。

けんちん汁、ほうれん草のお浸し、ウナギと銀杏入りの茶碗蒸し、香の物、小魚の酢漬け、それに合鴨とネギを炭火で焼いて、大根おろしをつけて食べます。お代わりはいくらでもというかんじです。なぜか、ビールはキリンの一番絞り、酒は月桂冠をお燗したもの。
菊のご紋がついた三笠山やみかんが食後に出ます。菊のご紋の葉巻もいただいて、解散です。たいてい食べ過ぎます。

外交団も楽しみにされているようです。来年の鴨猟に参加できないのは誠に残念です。



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