ノーマン・ミネタ

2009.03.18

JASG(Japanese American Study Group)の夕食会。
僕も名誉会員としてお招きをいただいている。これまでのJASGの主なスピーカーは
アルベルト・フジモリ 元ペルー大統領
ウォリー・ヨナミネ  元プロ野球選手、監督
メイジー・ヒラノ   元ハワイ副知事、現連邦下院議員
ジョージ・タケイ   スタートレック!!
河野太郎
セイコー・イシカワ  在日本ベネズエラ大使
ジョージ・アリヨシ  元ハワイ州知事
ダニエル・イノウエ  上院議員
そして今夜はノーマン・ミネタ元運輸長官(ブッシュ政権)、元商務長官(クリントン政権)、元下院議員。

ミネタ氏の話は日系人のサガから始まった。日系一世、二世が戦争でいかに迫害され、差別されたか。その経験が日系人の心にどんな傷を負わせたか。この悲劇を繰り返さないために、日系人は何をすべきなのか。

アジア系の移民一世が土地を所有できなかったとき、JBペッカムという白人が、外国人の買った土地を自分名義で保有し、その土地を買った移民の子供が二十一歳になったときに、その子供の名義に土地を書きかえ、そのおかげでたくさんのアジア人がカリフォルニアで土地を所有することができたこと...。

そして話は運輸長官時代に経験した911に急展開する。
運輸省でニューヨークの事件を知り、ホワイトハウスから呼び出されホワイトハウスの地下深くのPEOC(President's Emergency Operating Center)で対応にあたったこと。一機の飛行機がトランスポンダーを切ったままワシントンに接近し、ペンタゴンシティでレーダーから消えたこと(その飛行機が突っ込んだペンタゴンの会議室で僕の友人のテリー・リンチがそのとき命を落とした)、そのときアメリカ国内を飛んでいた4638機の飛行機を2時間20分ですべて強制的に着陸させたこと、アメリカに飛んでくる飛行機の受け入れを拒否し、ヨーロッパやアジアから飛んでくる飛行機をカナダに受け入れてもらったこと、カナダのある人口5000人の町の飛行場の滑走路に夕方五時までに53機の飛行機が隙間無くびっしりと並び、その町の人口が15000人まで増えたこと(53機の飛行機が並んだ写真をもらったこと)...。

そして、アラブ人のパイロットの飛行を禁止しろという声に対し、これは民族や人種や宗教の問題ではないと断固反対し、ブッシュ大統領が、1942年にノーム(ノーマン)が経験したことを今日、絶対に繰り返してはいけないと、全面的に支持してくれたこと..

民主党員であるにもかかわらず、ブッシュ共和党政権の閣僚を務め何か問題はなかったかという問いに対して、テキサス人の中のカリフォルニア人というほうが問題だったとニヤッと笑う。

商務長官に任命してくれたクリントン大統領に電話して、オバマを支持することにしたというのがどんなにつらかったか、その後、夫妻から小さな鳩を贈られて、ほっとしたこと...

オバマ政権の人事が遅れていることについて質問され、副長官クラスでも年俸19万ドルと給料が民間と比べ非常に安いこと、36ページにのぼる資産公開の質問状に答えなければならないこと、その中の質問にはあなたの過去に公になると政権に影響を与えるようなことがあったか(小学校2年のときに教室で爆竹を鳴らして先生を驚かしたのはこれにあてはまるのか)、FBIのバックグランドチェックが五ヶ月から七ヶ月もかかり、政府を退職後二年間あるいは五年間の就職が制限されるなどの制約の中で人事を決めるのは非常に難しい...

出席した日系人に強いエールを送りながら、ユーモアを交え、しかもメモなしで数字がどんどん出てくる非常に驚異的なスピーチであり、質疑応答だった。

次回はエリック・シンセキ退役軍人庁長官。

アフガニスタンの警察官への給与をODAで出すことについて、詳細を外務省から聞くが、実際に地方の警察官一人一人に現金で給与をどうやって支払うか、今ひとつ、納得できない。

既に警察官の95%がICチップ入りの身分証明書を保持しているらしい。これを使って身分確認をして支給するということらしいが現金をそこまでどう運ぶのか。

さらに、日本からのODAを直接アフガニスタン政府に入れずに、UNDPのLOFTAアフガニスタン法秩序信託基金に入れるというが、給与の支払いのための資金を提供するのなら、二国間で直接やるべきではないか。
無駄遣い撲滅プロジェクトの教訓は、こうした細かいところまで目を光らせないとお金が無駄になる。



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