掟破り

2008.10.17

日英議会シンポジウムの時に、英国議会の国対について知りたいならばこの本を読めと推薦されたのが、保守党のメージャー政権で与党のWhip(国対)の一員であったGyles Brandrethが書いた彼の日記、Breaking the Code(掟破り)。
英国のWhipはその活動内容を他人に話さないという掟を初めて破ったという日記だ。

Amazonで取り寄せた本が届いたので、さっそく東京と地元の往復の電車の中で読み始める。

全部で518ページ。12ページ目で旧友のジェフリー・アーチャーに電話をして、保守党から総選挙に出馬したいという意向を伝える。18ページで保守党本部で候補者選定の責任者であるトーマス・アーノルドに会う。42ページ目でやっとチェスター選挙区の保守党候補者に確定。62ページでメージャー首相と選挙用の写真撮影。72ページ目にメージャー首相が議会を解散、総選挙へ。76ページでチェスター選挙区にメージャー首相が応援に来る。そして82ページで当選!

Alan ClarkのDiaryよりもおもしろい。英国で総選挙の候補者になるプロセスや選挙運動の実際がどうなっているか、よくわかる。
しかし、国対の実際の活動に筆が進むには、まだまだページをめくっていかないとたどり着きそうもない。

財務省の棚卸しの準備のヒアリング。
平将明率いる一般会計と鈴木けいすけ率いる特別会計。

財務省管轄の外為特会がどうにもならなくなっている。
100兆円を超える巨大な資産を抱え、身動きがとれず、結果として平成十六年三月以降は為替の介入もできない。

この円高の影響で、すでに巨大な含み損を抱えている有様だ。
特会として、出口戦略が必要だ。国のドル建ての支出やJBICなどのドル建ての融資に充てて、ドル資産を減らそうとしているようだが、それでも合計で年一兆円程度にしかならない。
このペースでは出口まで百年かかる。

現時点での資産運用がどうなっているかを公開することには問題があるかもしれないが、少なくとも数年前の過去の状況を公開する必要はあるのではないか。財務省が、ニック・リーソンを抱えていないという保証はない。

橋本発言で物議を醸したように、外為特会の米国債を売却することにはいろいろな制約もあるだろう。それならば、外為特会のドル資産をデット・エクィティスワップのようにして、米国金融機関への資本注入に使うことを考えても良いのではないか。外為特会の出口戦略としても有効なのではないか。

このまま外為特会で外貨建て資産を抱えていることは、まさに借金でギャンブルするようなものだ。円高に振れると損を出す巨額な資産を抱えて、にっちもさっちもいかない。

外需から内需への経済の転換というならば、当然、輸出産業のための円安路線から食料品や資源の価格安定を睨んだ円高路線への転換もあるだろう。しかし、外為特会を手じまい出来なければ、円高になれば含み損がどんどん増える。金利が逆転すれば、一般会計にも影響を及ぼす。

外為特会のドル資産やユーロ資産を使って資本注入をすることには協調行動というだけではない意味がある。
外為特会を手じまいしながら、アメリカの金融機関の襟首をがっちりつかむことができれば、日本にとってプラスは大きい。

こうしたことも今後、きちんとテーブルに載せて議論していく必要があるのではないか。



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