暫定税率

2008.05.02

租税特別措置法案の再議決。ガソリン税も再び税率引き上げ。

ガソリン税の引き上げにはいろいろご批判もあるだろうが、京都議定書の目標達成からほど遠い日本としては、離脱を決めない限り、ガソリン税の引き上げはやむを得ない。

政府はいまだに京都議定書の目標達成はできると強弁するが、現実はなかなかそうはいかない。
もちろん京都議定書の目標は、ガソリン税や軽油引取税の税率引き上げだけで達成できるものではない。温暖化ガスの排出削減のためのあらゆる措置が必要だ。
一刻も早く、政府は蓋然性の高い現状分析と見通しを発表し、目標達成のための対策を打つのか、排出権購入で逃げるのか、議定書からの離脱をするのかという議論を始めなければならない。

ガソリン税や軽油引取税の税率引き上げは、まだ、税収という対価が入ってくるが、排出権の購入では、手に入るのは紙切れ一枚しかない。すでにいろんな方面では排出権購入が始まっている。一度、きちんとした議論が必要だ。

ガソリン税に関しては、国が暫定税率を引き上げず、四十七都道府県が暫定税率相当分の税率で、法定外の地方税をそろって新設するべきという意見があった。
それならば、暫定税率相当分が地方の一般財源になるし、道路整備費財源特例法の改正案の再議決も必要なくなったかもしれない。
今回は、時期的にこの方法は難しかったかもしれないが、来年度の一般財源化のときには使える手法かもしれない。

連休明けには、道路整備費財源特例法改正案が再議決に付されることになる。

マスコミのなかにも暫定税率と特定財源の議論が混乱している人もいて、三十日朝出演したスーパーモーニングでは、司会者が「暫定税率で造反も辞さずという河野太郎」という紹介の仕方をする。

暫定税率は京都議定書の目標達成を考えればやむを得ないが、一般財源化するという総理の発言に関する担保が得られなければ、道路整備費財源特例法案には造反も辞さずというのが、我々の主張だ。

我々の主張を正確に伝えてほしい!

この改正案は、道路特定財源を10年延長することになるので、総理の来年から道路特定財源を一般財源化するという方針と矛盾することになる。

それならばこの法案を廃案にしてしまえばよいのだが、揮発油税で国に入った税収を地方に配布する道路整備臨時交付金の法的根拠がこの法案に含まれている。また、地方に対する無利子貸し付けの根拠もこの法律だ。
だから道路特定財源に関する条文を廃止しても、臨時交付金と無利子貸し付けに関する法的根拠を作らなければならない。

もし、総理が、この改正案が衆議院で可決される前に、一般財源化という方針を打ち出していれば、この法案を与党が多数を占める衆議院で修正し、来年から一般財源化という方針に沿ったものにすることができた。

しかし、実際には、総理の方針が出されたのは、この改正案が衆議院で可決され、参議院に送付されてからである。
一院で可決された閣法は、内閣が撤回することはできず、新しい法案を衆議院に提出することは一事不再理の原則に反するのでできない。
だから参議院で法案を修正し、来年度から一般財源化という方針に沿ったものにするしか政府には選択肢がない。
しかし、参院で第一党の民主党には与党と一緒になってこの法案を修正するつもりがない。

議員立法で衆議院に一事不再理にならないようにつなぎ法案のかたちで法案を提出することはできるが、衆議院で可決して参議院に送った後でやはり六十日間たなざらしにされてしまうだろう。
六十日待って、この議員立法を衆議院に戻して再議決するというのでは、その間に地方財政に穴が開く。

ということで、道路特定財源を10年延長するという条文を含んだ法案を再議決することになるというので、若手・中堅は、この法案が通ったとしても来年から特定財源が一般財源化されるという担保をだせ、それができないならば、道路整備費財源特例法の再議決には反対すると執行部に対して、造反も辞さずという意志を伝えてきた。

政府・与党合意のように一部の幹部が合意しただけではだめで、党の最高意志決定機関である総務会と内閣の意思決定決定機関である閣議を通せ、さらに総理が国民に対して直接、このことをご説明すべきだというのが、我々の要求だ。

総理の発言通りの内容を総務会で決定すると発言した谷垣政調会長に対して、道路族の一人である総務会長が、総務会で決定するかどうかは総務会長が決めることで、政調会長が口を出すことではないなどとお怒りになる等道路族の抵抗もまだいろいろある。

明確に一般財源に向けての筋道をつけていきたい。



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