日本のプルトニウムとテロの脅威

2006.07.02

平塚なぎなた大会。
伝統武道なぎなたの大会に参加している選手のなかに、瑚織留瞳、我亜留瞳という名前の姉妹が。なんてハイカラな名前だろう。

枠組み合意をやったボブ・ガルーチ氏が来日。
我が母校のジョージタウン大学の国際学部の学部長を10年やり、さらにあと5年の契約にサインしたばかり。
アメリカ大使館のDCM(Deputy Chief of Mission)の公邸でジョージタウンのOB会。
その前にホテルオークラのバーでペリエを飲みながら、北朝鮮に関する意見交換。
アメリカは、ミサイルに関しては比較的落ち着いている。というのも北朝鮮は抑止力を行使できる対象と思っているから。
アメリカが気にしているのは時間だ。時間が経つと北朝鮮の核物質は徐々に増えていく。そうなると北朝鮮は核爆弾を第三者に売るだろう。その相手は抑止力が 効かない相手かもしれない。その相手はミサイル防衛で打ち落とせるミサイルに乗せるのではなく、飛行機に乗せるかもしれないし、コンテナに紛れ込ませるか もしれない。そうなればアメリカも対応できない。

それよりも、ちょっと話題を変えていいかい。ええ、どうぞ。
なぜ、日本は使用済み核燃料の再処理をやっているのだ。プルトニウムを取り出してどうしようというのだ。

アメリカ政府の中では急速に日本の再処理に対する懸念が広がっているようだ。使用済み核燃料を盗もうというテロリストはまずいないだろう。運搬する のにこんなに不都合なものはない。しかし、再処理してプルトニウムを取り出したとたんに、テロのおそれが急速に高まる。プルトニウムは非常に持ち運びしや すいのだ。
アメリカはロシアに対して、保有しなくてはならないプルトニウムはすべてスパイクしろ、つまり持ち運びしにくいように他の放射性物質と混ぜろという交渉をしている。それほどアメリカはプルトニウムの扱いに気を使い始めている。
高速増殖炉がないのになぜ、プルトニウムを取り出すのか。
MOX燃料に何かメリットがあるのか。MOX燃料からだってプルトニウムを取り出すことは容易にできる。
再処理することにコストメリットはないはずだ。
高速増殖炉が商用に稼働することがあったとしても、それは遠い将来ではないのか。何トンものプルトニウムを毎年抽出する意味はなんなのか。もし2050年に高速増殖炉ができるというならば、なぜ、使用済み核燃料をそのまま数十年間中間貯蔵しないのか。
今の日本の警備体制でプルトニウムを安全に保管できるのか。仮にそれが可能でも、なぜそんなリスクをとる必要があるのか。
プルトニウムの貯蔵は国際的なテロがこれだけ盛んになり、テロリストが核物質に関するノウハウを蓄積しつつある今日、大きなリスクを伴うということに日本政府はどう考えているのか。
ウラン イエス、プルトニウム ノーというバンパーステッカーを作って日本でみんなの車に貼ってもらったらどうかと結構マジな顔をして言っていた。

六ヶ所ではいろいろな事故が起きている。中にはヒューマンエラーもある。本当に今の政策を続けて良いのだろうか。
マスコミは再処理政策に関しては何も議論をしようとしない。国民は問題は何かほとんど知らされていない。コストのバカ高い、そしてほとんどメリットのない政策が惰性で、いや悪意で続けられている。そして、テロのおそれは着々と増え続けている。

ガルーチの懸念は他人事ではない。

まさか読めないことはないと思いますが、ゴールド、ワールドの姉妹です。試験の時は大変だろうな。



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