2004年12月3日号

2004.12.03

混合診療の問題。
あまり難しく考える必要はないと思う。

例えばB型肝炎またはC型肝炎による肝硬変に対する肝臓移植は今年の1月から保険適用になっている。
しかし、移植をしても肝炎が治るわけではないので、放っておけば新しい肝臓は肝炎ウイルスにやられてしまう。
B型肝炎による肝硬変が原因で移植をした場合、移植した後に抗HBVヒト免疫グロブリンを大量に投与して移植された肝臓にB型肝炎が感染しないようにする必要がある。
しかし、現在は肝臓移植(1000万円)は保険適用だが、抗HBVヒト免疫グロブリンの大量投与(800万円)は保険適用になっていない。
そうなると選択肢は保険が適用になる肝臓移植だけやって再度肝臓をB型肝炎に感染させるか(そんな馬鹿な)、移植とグロブリンの大量投与をやって全て(1800万円)を自己負担するかという選択になる。
移植は保険でやって、保険適用でないグロブリンの大量投与を自己負担でやるという選択を認めるべきだ、というのが私の主張だ。

もっと極端な例もある。
肝臓移植をすると免疫抑制剤を使う。オヤジが移植を受けた時は、この免疫抑制剤の血中濃度をしょっちゅう測って、免疫抑制剤の量を決めていた。
が、肝臓移植が保険適用になった今、免疫抑制剤の血中濃度の測定は保険では月一回しか認められていない!
免疫抑制剤の血中濃度の測定を毎日やると27万円を自己負担しなければならなくなる。が、この測定分の27万円を自己負担すると肝臓移植そのものの費用1000万円も自己負担しなければならなくなる。
で、選択肢は目分量で免疫抑制剤を投与するか(患者はたぶん死ぬだろう)、1027万円全てを患者に負担させるか、病院が27万円を黙って負担するか、ということになる。
肝臓移植は保険適用にして、27万円だけ患者に追加負担させるという選択肢があっても良いではないか。(そりゃもちろんこの27万円が保険適用されるのが一番良いのだが)

だから混合診療の議論は難しいものではない。普通の人が常識で考えて、こうじゃないのかということができるようにするべきだという議論だ。

正副幹事長と総理の懇談会。
総理に臓器移植法改正の必要性を訴える。総理にも改正案をご支持いただけそうだ。
来週には徳島県で二歳半の幼児が渡米して心臓移植をするための募金が始まる。
日本での移植に反対する議員は当然、こうした外国での移植にも正面から反対するべきだろう。国内では移植はさせないが、海外で移植をすることには知らんぷりというダブルスタンダードは卑怯だ。



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