2003年12月2日号

2003.12.02

自民党の外交・国防合同部会、自衛隊のイラク派遣について。
山本一太をはじめ賛成派が多い。
反対意見は、ほんの数えるほどで河野太郎、松島みどり、参議院の松村龍二の三名ぐらい。

私がイラクへの自衛隊派遣に反対する理由は、まず、国民への説明責任を果たせていないことと理解が得られていないことだ。
アメリカを開戦に追い込んだ大量破壊兵器の脅威はどうなったのかというそもそもの説明を日本政府はアメリカ政府に求めなければならないし、日本政府も我々この件に関する国民への説明をしなければならない。が、現状では、説明すべきものがない。これを中途半端にして先に進むわけにはいかない。
さらに、イラクの特措法に規定している要員の安全確保がイラク国内でできるのか、非戦闘地域が現在のイラク国内にあるのかどうかについて、国民を納得させるだけの説明ができないではないか。できるというならば外務大臣なり、官房長官なりがしっかりと説明をしなければならないが、それもない。
イラクの復興支援に行くのであって、米軍の支援に行ったり、アメリカ政府の顔を立てるために行くのではない。自衛隊が今、イラクに行くことが復興支援になるということをきちんと説明しなければならないし、自衛隊という軍隊が出ていくことで、その地にテロリストを呼び込むことにはならないということも説明する必要がある。

他方で、我が国の外交官がイラクで活動をする時に、大使館や宿舎を我が国の自衛隊が警備したり、外交官が移動する時に我が国の自衛隊が警備することができないという状況があるということを認識しなければならない。
治安維持活動をすることができなかったり、非戦闘地域でなければ自衛隊を出せなかったり、他の国の軍隊とは交戦規定が一致しなかったりといういろいろな制限があるのも現実だ。少なくとも現在のイラクのような地域に自衛隊を出すためには、憲法をはじめ法律の整備をきちんとするべきだ。つまり、集団的自衛権がきちんと認められる状況をつくり、武力行使一体化論などの議論がでないようにして、必要ならば大使館の警備もやり、国連の要請などがある場合には、国際社会の一員として地域の治安維持活動やPeace Makingだってできる(やるかどうかは政治決断かもしれないが)という法整備を国民の理解を深めながら着実に進めていくべきだ。
現在のように、国民の間に派遣に対する理解もない状況で、送り出された自衛隊に何か事故あれば、カンボジアのPKO以来今まで積み上げてきてものが一瞬に崩れてしまう。
急いて事をし損じてはいけない。
国民に丁寧に説明し、理解をして頂く努力を怠ってはいけない。
あれだけ何回も行った調査団の調査報告だって説明されていないではないか。

テロとの戦いという事に関して言えば、イラク以外にも戦線は開かれている。例えば同じアジアのインドネシアにおいてテロリストの取締がきちんとできているのか、中東の和平の根幹であるパレスチナ問題もあればグルジアまで含めた中央アジアの安定化の問題もある。放っておけばテロリストが入り込んでくる可能性のある地域であり、こうした地域に社会的、経済的な安定状況を作り上げることは国際社会にとっても非常に重大なことだ。いまの日本の法体系の中でも日本がテロとの戦いで果たせる役割はたくさんある。何もイラクに自衛隊を出すことだけが貢献ではない。
冷戦が終わった今、日本は日米同盟を大事にしながら、しかし、日本が国際社会の中で独自にしっかり動けるようにしておかなくてはならない。

年金制度調査会。
我々が主張していたこれまでの年金制度の中でのおかしなところ、つまりグリーンピアをはじめとするおかしな事業と年金の積立金の運用のいい加減さを徹底的に調査するワーキングチームが誕生した。
我々のもう一つの主張である根本から、つまり国民年金を保険料でやるのか税でやるのかという議論、厚生年金を賦課方式でやるのか積立方式でやるのかという議論をする場をきちんと作ることも尾辻部会長および大野年金制度調査会長がきちんと確認。
それならば、来年の予算についての議論が先行することも了承する。

かつて通産省の官僚がカーエアコンのフロンの回収率があまりに低いため、それを隠そうとしてあの手この手を使った。回収可能量なるイカサマを編み出してみたり、調査の度に調べる内容を変えて前回調査との比較ができないようにしたり。それに怒ってNGOや環境省と努力してフロン法を議員立法で作った。
そのフロン法ができて最初の実績発表を明日に控えて環境省がプレス発表ように作った資料を見て、思わずキレる。今度は環境省が回収率を隠している!
官僚なんて、結局、こんなものか。

党税調。部会ヒアリング。
環境部会の要望の筆頭に環境税に関する議論を継続することを持っていった。何も来年導入する税ではない。しかし、環境税に関する議論はこれから先、やらないということはできない。議論は続けなければいけない。
環境部会の要望の中には環境事業団の亡霊もある。まだ、建設譲渡事業に関する減税要求などが環境省から出ている。環境事業団関係のものは全て黙殺し、部会長要望の中でも触れなかった。一件とか二件で総額百万円や三百万円の特例措置など止めた方がよい。



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