2002年11月26日号

2002.11.26

総務省が進めるオープンソースのOS開発に対するリアクションとして、マイクロソフトがソースコードの一部開示を申し入れてくる。
しかし、内容的には、全くソースコードの公開とは異なり、総務省としても、この程度のことでは、検討の対象外にしかならない。
ウィンドウズのソースコードができないならば、日本の電子政府は、脱ウィンドウズの道を歩み始めることになる。

とは言うものの、日本の情報通信のお先は暗い。
一般に、ロイヤリティが5%を超えると、市場で、特許を持っている企業と競争にならないそうだ。第三世代の携帯電話の特許は、エリクソンとモトローラが特許数ではリードし、日本勢はドコモがやっと三位。第三世代の携帯電話の先行きは、楽観できない。

今週中にも、日本は政府が推奨する暗号システムを二十数件発表する。
この20いくつかの暗号の中から、それぞれ、システムを選べというのが日本式。総務省が使っている暗号と外務省が使う暗号が異なってくる可能性もある。これは、どちらが破られても被害は広がらないという考え。
それに対して、アメリカの戦略は全く、異なる。アメリカは、ベルギーのラインドール方式のみを、アメリカ連邦政府の標準暗号に定めた。この方式は、もともと最も強力な暗号と言われ、EUが標準化することをねらっていたと言われるが、それをアメリカがさらっていった。アメリカ政府が関連する全ての情報通信に、この方式を使わせることで、この方式を事実上のデファクトにするのがアメリカ政府の狙いだとする人もいる。ラインドール方式に関する知的所有権は、どうなっているのだろうか。

情報通信の分野で、日米の技術の優位性を比較すると、一部の部品を除いては、圧倒的にアメリカが優位に立っている。情報通信分野の業界標準を作るカギとなる各種の団体もほとんどがアメリカ企業主導となっていて、日本が主導権を握っているのは、約133の業界団体のうち3団体だけだとも言われる。これは、標準化を通じて、後々大きく響いていく。
今後、日本の産業の飯の種にしていかなければならないこの分野に、もう少しきちんと資金を投入し、訳のわからん官僚の関与を減らしていく必要性がある。
熊しか通らない高速道路をまだ主張し続ける道路族よ、今の日本にそんな金をどぶに捨てる余裕はない。



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