2002年11月18日号

2002.11.18

特殊法人改革の特別委員会。
実は造反して、クビになった。月曜日の採決は私に代わって、奥谷
代議士が差し替え。
造反は、財務省管轄の通関情報処理センターの独立法人化について。
関税を徴収するシステムなのに利用者から手数料を取るところがいかがわしい。民間の業務もシステムに載せているからと言うのが財務省の理屈だが、それは、天下り組織を作るために無理矢理民間業務もシステムに載せ、金を取っているとしか思えない。
このセンターのいかがわしさを端的にわかってもらうために一番良い例をあげる。
このセンターは、メインフレームのシステム管理を、NTTなにがしに随意契約で発注し、年間八十億円の経費を支払っている。ここが技術的に優れているからだそうだ。
このセンターは、通関業者が電子申告をするときの唯一の窓口になっているため、もし、このシステムがダウンすると税関関係の電子申告ができなくなるので、通関業者は、システムが復旧するまで待たなくてはならない。
で、例えば一時間待っているうちに、税関が業務終了時間になったとする。でも通関業者はその日のうちに手続きを終えなければならないので、税関に臨時開庁をしてもらう。この臨時開庁の費用を、センターは支払わない。臨時開庁してほしいのは、通関業者であって、センターではないから、だそうだ。
システムをダウンさせ、申告ができなくなったのはセンターの責任であり、契約を結んでいるNTTなにがしの責任であるはずなのに、それによる損害は、センターは関係ない。これはおかしいよね、と質問すると、センターとNTTなにがしとの契約で、システムが一日ダウンすると損害賠償を支払うが、一日未満だとそれがない。だから、一日以上システムがダウンしたときに限り、手数料はセンター持ち、一日未満はセンターが損害賠償を受けられないので、手数料は持たないのだそうだ。
センターとNTTなにがしの契約は、センターのなかでの問題である。
通関業者に対して、臨時開庁になってしまった責任はセンターが負うべきものだから、少なくとも手数料は、センターが支払うべきものではないのか。

センターには、沖縄開発庁次官、会計センター次長、元税関長が二人、外務省から一人天下っている。税関の業務と民間業務の両方をできるようにしたシステムですなどと財務省は誇らしげに言うが、単なる天下り機関を作っただけではないのか。この五人の天下りが、通関に関わる業務の効率化にどれほど貢献するのか。
このシステムは、いまだにインターネット対応していないため、高額な専用回線かダイヤルアップの対応になる。
財務省の中に独立行政法人の評価委員会を作りますなどというが(それが独立行政法人のルールだが)、自分の天下り先を評価する評価委員会のメンバーを選ぶのも財務省なのだから、まともに評価する人間が選ばれるという保証はない。

手数料の件、質問してもなんだか要領を得ない。もちろん、新任の政務官がこのことを知っているわけはないから、役所の答弁書が要領を得ないのだろう。
質問が終わってすぐ、質問の答弁に立った田中和穂政務官から電話が入り、あの手数料の件、おかしいから直すように指示したから、と。
つまり、質問の前に政務官に答弁レクをした官僚は、おかしくないとレクしたのか。

このセンターには毎年国費が五十億円投入され、八十億円のシステム費用が随意契約した業者に流れていく。コストを下げる、サービスを良くするインセンティブはない。独立行政法人になっても天下りを無くすとは財務省は言っていない。百三十人近い職員のうち、九十人は税関からの出向者で、独立行政法人になると職員を四人だけリストラするのだそうだ。

民間が必死に企業努力をしている中で、ボトルネックになる部分がQCDなど全く気にせずに、寄生虫のように民間から金をむしりとっている現状にあまりに腹が立って、掟破りを承知で、この法案への反対を公言し、あっさり委員会をクビになった。
党内で議論しているときに反対しろ、というのが自民党ルールだが、そこで気がつかなかったら見逃すというのも納得できなかった。
法案が通ったからといってあきらめないぞ。



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